理想を求める者
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劉備のもとへ一緒に志願しにいくと思っていたのか? そんな悲しそうな顔しないでくれ。
そんな様子を見てかすかさず諸葛亮ちゃんがフォローに入る。雛里のだったが。
「徐晃さん。約束は私たちが劉備さんに会うまで、だったはずです。雛里ちゃんとの約束……守らないんですか?」
こぇぇぇぇぇ! 目のハイライト消えてるんですけど!
あまりの恐ろしさにびびっていると雛里が服の袖を摘み、涙目でこちらを見やる。無理だ、この布陣……逃げられるわけがない。これが伏竜と鳳雛の力か。
「確かにそうだった。ごめんな雛里、諸葛亮ちゃん」
おおう、劉備と会うことが確定しちまった。カリスマとか勢いにおされて軍に入っちゃいそうだから嫌なんだが。戦う覚悟とか決まってないし。
それより諸葛亮ちゃんが普通に戻ってる。さっきのは一体なんだったんだ。
疑問に首を傾げて思考を続け、袖を引かれながら俺は城への道を歩き始めた。
†
仲良くなったとは言っても秋斗さんは旅人。
約束は劉備さんに会うまで。そこで引き止められなければきっと離れることになる。
一緒にいてほしい。
乱世に立つのが不安だからだろうか。
また弱い自分を受け入れてほしいからだろうか。
もう少しだけ甘えさせてほしい。一人で飛べるようになるまで。
よければそれからも近くで見守っていてほしい。
あぁ。お城についちゃった。がんばらないと。
雛里ちゃんはきっと徐晃さんを兄みたいに慕ってるんだろう。
恥ずかしがって出会いのきっかけは話してくれない。
前はなんでも話してくれたのに。
私は徐晃さんに嫉妬してる。その場所は私だけのモノだったのに。
だから本当はさっきさよならを言うつもりでいた。
悲しい顔をする雛里ちゃんを見たら言えなかった。むしろ徐晃さんに腹が立った。
私は親友を泣かさないためにできることをしよう。
それに熊を退治出来る程の力があるなら、きっと人もたくさん救えるはず。
†
城の前に到着して、門番に劉備義勇軍の参加希望ですと諸葛亮ちゃんが伝える。
ちょっとまて、その言い方だと俺も参加希望だと思われるんですが。
にこっと俺に笑いかける諸葛亮ちゃんだったが開いた瞳からは先ほどのようにハイライトが消えていた。ああ、これは孔明の罠なのか。
どうやって回避しようかと考えていると巨乳のねーちゃんが出てきた。
見た目は麗しく、凛とした瞳には芯の通った強い光を宿し、流れる黒髪は日光を反射してきらきらと輝いていた。
うわ、髪の毛さっらさら。こんな綺麗な黒髪みたことねーや。
「義勇軍志望というのは……あなた方か?」
訝しげな眼を向けて俺達を見やり、一言。
そりゃ言い淀むだろうよ。見た目幼女二人侍らせた男が来たらな。あ、
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