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乱世の確率事象改変
理想を求める者
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に笑いながら懐からいくらか渡してやる。
「思い出したぜぇ! なんでも烏桓との関係が危うくなってるらしくてよ、下手したら戦になるかもって話が上がってるな」
「ふむ、糧食の動きは?」
 こちらが話が終わる度に聞き返すとつらつらと話してくれる。
 どうやらいい商人に当たったようだ。前情報は入れておいて損はない。
 ひとしきり有力な情報は聞いたのでお礼を言い、追加のお金と熊退治の報酬に貰った酒を渡す。
 兄ちゃん出世したら贔屓にしてくれよーと嬉しそうに言ってくれたので、顔と名前を頭の隅に叩き込んでおいた。
 それから中に戻ると体育座りでお互いに頭を預けながら手を繋いで眠る天使二人。ここにキマシタワーを建てよう。
 馬車に乗る前に買っておいた薄めの掛布団的なものをかけてあげて、俺は対面に座って目を閉じ、幽州に着いたら何をするか考えながらまどろむことにした。



 何日か旅を続けた俺たちは幽州は公孫賛が治める地までやってきた。
 旅の途中で仕事仲間なのか女の商人と合流し、二人はそちらに乗ったので対して関わり合うことも、話すことも無かった。
 もし、俺がこれまでどこを旅していたか、などと聞かれていたら答えられなかっただろうから好都合ではあったがさすがに男だけでは寂しかった。
 乗せてくれた商人たちに礼を言い、お金を払ってから分かれて街の様子を見やる。
 人々の表情は安穏としており、のんびりとした空気がそこかしこで漂っていた。うん、のどかだ。
 先に二人から聞いた話によると、この世界の劉備は客将として義勇軍を率いているらしい。
 三国志のビッグネームがすぐそばにいると思うと胸が熱くなるな。美少女名軍師も一緒にいるし。しかし黄巾の乱も始まっていない時期に諸葛亮と鳳統が入りにくるとか時系列が変だ。いや、徐晃がここにいる時点でおかしいか。
「り、劉備さんは最近賊の討伐から帰ってきたばかりなようでしゅ」
 近くの店に聞き込みに行っていた諸葛亮ちゃんと雛里が帰ってくる。聞き込みされた店の人も、よもやこの二人が名軍師とはおもうまい。
「りょーかい。基本拠点場所は聞いておいたよ。たまに公孫賛のところで練兵とかしているらしいが今回は運よくいるみたいだ。」
「劉備さんは義勇軍なので直接志願することができそうですね。」
 こちらも聞き込みをしておいた事柄を伝えると、ふんす、と気合十分に話す諸葛亮ちゃん。どうやら劉備にものすごく期待しているようだ。微笑ましい。
 さてさて、名残惜しいがもう大丈夫だろうし俺はここいらで、と考えて二人に別れを告げる事にした。
「よし、後は二人で行けそうだな。短い間だったが楽しい時間をありがとう。諸葛亮ちゃん。雛里」
「えっ……」
 俺が放った言葉に落胆の表情で雛里は茫然とこちらを見上げた。
 まさか雛里は俺が
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