最終話「勝利/VICTORY」
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タケルとシグマ、双方は静かに沈黙が続いた。ぴたりと動かない二人、しかし、先に爪先を動かしたのはシグマであった。
「……!?」
その刹那、二人の姿は肉眼ではとらえられない速度で、激しくぶつかり合う。タケルのZXセイバー、そしてシグマのビームセイバーが激突し、火花を散らす。
「ほう……大出力のセイバーのようだな?だが……!」
しかし、シグマは指先をタケルへ向ける。
「!?」
シグマの指先は銃口のように展開し、そこから五つのレーザーが放たれた。
「……!?」
この近接距離でそれを食らい、タケルは飛ばされる。指先がレーザー銃になるとは思わず、タケルは腰から拳銃型のZXバスターを取り出し、チャージショットを連発させるが、
「甘い!甘いわぁ!!」
チャージショットの弾幕をシグマはセイバーで全て弾き割ったのだ。
「ば、バスターが!?」
「私にバスターなど通用せん!」
素早い機動力で一瞬にタケルの間合いへ立つと、シグマはセイバーを振り回し、それを何とかセイバーで受け止めるタケル。凄まじい力に押され、タケルは動くことはできない。
「踏み込みが足りんようだな?」
シグマのセイバーを受け止めるだけで精一杯のタケルへ、シグマの横蹴りが飛んだ。
「ぐあっ……!」
シグマに蹴り飛ばされ、壁へと激突するタケル。起き上がる彼にシグマは待たず。彼の肩部へセイバーを斬りつけた。
「痛っ……!?」
「どうした!?ロックマンZXよ?先ほどのVAVAを倒した時のように私を圧倒してみせよ……?」
「……!」
そしてシグマは目にもとまらぬ速さでタケルの体へセイバーを切りつけてくる。ゼクスのアーマーは徐々に傷ついていく。
(は、早い……とてつもなく早い!どうすれば……どうすれば勝てるんだ!?)
その素早い攻撃に苦しみながら、タケルはシグマへの攻略を探るが、格闘に特化したシグマは攻撃力共に機動性も高い。距離を取るバスターで防ぐにしてもシグマの指先に仕組まれたレーザー銃が放たれる。だからといって同じ接近戦を挑んだらおそらく勝つことはできないだろう……
「くそっ……」
タケルは背後から来た攻撃に倒れ、蹲った。もはや、シグマに勝てる見込みはないのだろうか?
「どうした?それで終わりなのか……つまらんな」
「くそっ……駄目なのか?僕じゃ駄目なのか……!?」
「しかし、よくここまで耐えたものだ?初めてにしては認めてやろう?だが、私を倒せなかったのは唯一の心残りだな?ロックマンゼクスよ……」
そういうと、シグマはタケルへと距離を取って、セイバーを構えた。
「せめて、一瞬で楽に死なせてやろう……?」
シグマがそう呟き、タケルへ向かうが、その刹那。
「……こうなったら!」
タケルは立ち上がり、セイバーを握って構えた。そして彼は静かに目を閉ざす。心眼である。心
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