今こそ始まりの時
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。
「……………。」
「……………。」
何故、俺がオッサンの顔を見つめねばならない。
ちなみに目をそらすのは不敬なので、駄目だ。俺不遇すぎないか。
まぁ流石のキースもずっと無言でいるつもりは無いようで、ちょっと鼻を鳴らしてから、口を開いた。…やっとだよ、本当。
「おい、お前。何故一緒になって走っていた。」
「はい。俺は監視を言い渡されました。故に、彼女を監視するためには一緒に走るのが適切だと思ったからです。」
「…そうか。なら、監視はもう良い。アレは監視せずとも走るだろう。」
確かに。
「それより、明日の準備を手伝え。」
「準備ですか?」
「あぁ。明日、立体起動の適正を見る。おい、それを立てろ。」
「了解。」
あぁ、本当、何でおっさんと共同作業しなきゃいけないのだろうか。これならサシャと走ってたほうが…、、、あぁいや、どっちもどっちかもしれん。サシャはサシャで、どうしても女と接してる気がしないし、俺は体を動かせればそれでいいからな。
「なんだ、意外に力あるじゃないか。貴様何かやっていたのか?」
ちなみに俺はシガンシナ区出身になっている。あそこは裏の道に入れば、誰がどうゆう風に住んで居るかなんて分からないから都合が良かったらしい。
流石に何をしていたか、までは設定されてなかったが。適当に誤魔化すか。
「特には何も。」
「そうか、まぁいい。どうせ訓練で死にたいと思うほど訓練させられるんだ。」
「そうですか。」
まぁ、命令でもあるし訓練兵として居られる事に文句は無い。訓練するだけなんて、楽で良い。面倒くささもあるが、うっすら楽しさも感じ始めているのが本心だ。
…今でこそ言える事だがな。
昔、訓練兵に入れられた時、俺は楽しさなんて感じる事が出来なかった。だからこそ、その代わりに今楽しんでおいても損はないだろう。
少しだけ昔を思い出す…。
まだ俺が訓練兵でもなんでもなく、ただゴミ山に暮らしていた時のことだ。
ゴミ山は治安が悪く食い物すら少ない。そんな中で生きていくには、孤独ではいられない。裏切りにあったことだってあるし、仲間を見捨てなきゃいけない時だってある。でも、その中でできた仲間は何にも代えられない、大事なモノになるのだ。
『ねぇ君。兵士になってくれないかな?…いや、別に強制はしないよ。私の立場では到底出来ないしね。だけど―――――そういえば、ゴミ山に住んでいる子達は身分証明書がなかったね。うん、まぁ孤児だから当たり前なんだけど。それでさ、ここからが本題なんだけど、身分証明書がなければ、殺しても罪にならないって知ってるかな?』
――――――だからこそ、こんなベタな脅しに屈しなければならなかった。
突然ゴミ
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