今こそ始まりの時
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、必死に前へ前へ進んでいる。
歩けば楽なのにぃ、とか言えるか?これで。俺は無理。
「暗くなるまでだから、あと1時間程度だ。頑張れ。」
「は…い!」
先程、彼女を馬鹿と証したが訂正しよう。こいつは大馬鹿だ。……眩しいほどに、まっすぐ馬鹿だ。
「ん、ほれ。水だ。」
「…はあッ…いつ…のま…に!」
「最初から持ってた。飲め。」
「あり…がとうござ…ます!!」
「食料は無いぞ。」
ちょっとガッカリした雰囲気が伝わってきた。知らんがな。
サシャは俗に言う食いしん坊というものなのだろう。
あ、そういえば暴食といえば……どこかの文献で、ベルゼブブという暴食の悪魔が載ってた気がする。
…………。
「なぁ、ブブ。」
「ブブッ!?…え!?私…です…か!?」
「冗談だ。」
意外に反応が面白い。
「それ…にしても、…何故貴方は一緒に走って…くれるんですか?」
「お前が誘ったんだろう。」
「いや…そう、ですけど…、正直駄目元でしたし…。」
「そうか。まぁそんな事なんでもいいだろう。」
「えー!?…教えてくれないんですかぁ!?」
「言うほどの理由じゃない。」
「まぁ無理矢理聞くことじゃありませんけど…。」
「……ありがとうございます。」
…………なんで?
「おい、それで走ってるつもりかァ!!!」
それから走り続けて数分後。
ふと通りかかったキース教官が叫んできた。いつのまにか、また最初のグランドに来ていたようだ。走ると周りが見えなくなるのは仕方がないと思うんだ。
とにかく、キース教官が呼び止めたので俺達はいったん足を止めた。サシャには良い休憩になりそうだ。
「サシャ・ブラウスはまだ走ってろ。」
ならなかった。この教官、鬼畜である。
サシャは絶望した顔でまた走り出した。凄いな、俺ももう少し息が切れてきたと言うのに、彼女はまだ体力残ってたのか。これは訓練したら良い戦力になりそうだ。
「…………。」
「…………。」
まぁうん。それはそうと、この無言で男二人が見つめ合ってる状況、、、俺はどうすればいいのだろう。また走り出すべきなのだろうか。…いや、しかし命令は彼女一人の名前しか入ってなかった。ということは、まだ許可が出ていないので、動く事は出来ない。
……うん、とりあえず敬礼しておけば良いか。
「…………。」
「…………。」
「…………。」
「…………。」
「…………。」
「…………。」
…何か言えよ。頼むから。
キースは突如振り向き威圧感たっぷりに俺を見下ろしている。まぁ慣れは怖いと言うか、巨人顔負けの圧倒的威圧感をもって居る人たちに散々会ってきているおかげか、特に俺はなにも感じず見つめ返した
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