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乱世の確率事象改変
出会ったのは雛鳥
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ていて、あろうことか寝ている私のほっぺたをのばしにのばして……もう!
 久しく激昂していたので寮に着くまで今日買った新しい本を忘れてきたことに気付くことは出来なかった。

 †

 失礼な事をしてしまった。
 まさか水鏡塾が元服した人限定だなんて、宿屋の人に話を聞かなかったらずっと勘違いしていただろう。あの見た目だ、苦労しただろうに。可愛い女の子を傷つけるとは紳士失格だな俺は。
 昨日の女の子に本を渡そうと同じ場所に行くと、あわあわと警戒しながら木の後ろから魔女っ娘がこちらを睨んでいた。か、可愛い……っといかんいかん、まずは計画通りにいこう。
 くるりと身体を反転させて来た道を引き返し、近くの出店で特上のゴマ団子とお茶を買って戻る。
「昨日はすまなかった。どうかお詫びと謝罪をさせてくれ」
 謝罪と同時に取り出したるは野宿用のゴザ。
 その上に本と団子とお茶を置きすばやく茶をいれて少し離れてみる。
 魔女っ娘はポカンと口を開けたまま俺とお茶セットを交互に見やり、こちらを警戒したままゴザに座ってくれた。
 どうやら少しは話を聞いてくれるようだな。
 ホッと胸を撫で下ろし少し離れて地面に脚をおろす。
「子ども扱いして悪かった。後の賢者にたいして無礼が過ぎた。本当に申し訳ない」
 そう言って正座して頭を下げる。いわゆるDOGEZAだ。紳士として重大な罪を犯してしまったからにはこれくらいしなければならない。心からの謝罪は伝わるだろうか。
「か、顔を上げてください!」

 †

 警戒していた。失礼で危険な人だと。
 私を見つけたとたんに引き返した時は目を疑った。やっぱり失礼な人だと。
 次に疑問だらけになった。
 何故か高そうなお団子を買ってきてお茶の用意をし始めた事に呆気にとられ、なんとなく流されて座ってしまった。
 最後に驚いた。余りに完成された綺麗な流れで敬うように謝られた。こんな謝罪の仕方は見たことがない。逆にこちらが申し訳なくなってしまってしまう。
「そういう訳にはいかないな。君のような可愛い女の子の心を傷つけるなんて許されることじゃあないよ」
 か、かかか可愛い!?
 さらりと恥ずかしがる様子も無く紡がれた言葉を聞いて自身の思考が追いつかず、いつもの口癖が無意識に零れ出る。
「あわわ……。」
 頬が熱くなり、顔が紅くなってるのがわかる。思考が上手くまとまらない。どうしたらいいのだろう。
 とりあえず落ち着かないと、朱里ちゃんと話し合って、あぁ今朱里ちゃんいない――

 †

 一刻ほどDOGEZAしたままいると彼女はなんとか許してくれた様子。しかし一刻の間に何回あわわと聞いたことか。
 とりあえずせっかく団子を買ったのでお茶会でもと誘ってみたのだが、お団子を食べる姿に悩殺されそうだった
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