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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第203話】
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共に笑顔でその場を後にする。
……ヤバい、まるで俺じゃないみたいだ。
多分今の俺を見たら美冬も未来も驚きすぎて多分聞き返すだろう――貴方誰って。
一旦カウンターまで戻ると、少し遅れてシャルも戻ってきて――。
「……接客業って、やってみると大変だね、ヒルト……?」
「……あぁ、てか俺じゃないみたいだ……。 あんな上品に言ったの初めてだし……」
小声で喋りながら、互いに仕事をこなしていると、ラウラが男性客三名のテーブルで注文を取っていた。
「ねえ、君可愛いね。 名前教えてよ」
そんな風にまさか接客中のメイドさん(ラウラだが)をナンパする強者がいるとは思わず、少し俺は唖然としていた。
「………………」
冷めた瞳でナンパ男を見下ろすラウラ、だがそんな様子にも関わらず、ナンパ男は更に言葉を紡ぐ。
「あのさ、お店何時に終わるの? 一緒に遊びに――」
「……御主人様、生憎ですがメイドに手を出すのはご遠慮いただきたいのですが……」
「……ヒルト?」
流石に見過ごす事も出来ず、ラウラと男性客の間に割って入ると――。
「……君、邪魔しないでくれるかい? 僕は彼女に用が――」
「はい。 ですが……それは承る事は出来ませんのでご遠慮願いたいのですが……」
「君、それがお客に対する態度かい? 大人しく引っ込んでろ――」
その言葉にいち早く反応したのがラウラだ。
まるで叩き付けるようにコップを垂直に置くと、大きな音が店内に響くと共に、コップの中の滴をテーブルに散らかす。
いきなりの事に、面食らっている男たちに――。
「貴様ら、我が嫁に対してその態度とはいい度胸だな――飲め」
「へ? ――よ、嫁って……? ――で、でも君はとても個性的だね。 僕はもっと君の事よく知りたくなった――……あれ?」
ナンパ男の台詞の途中でラウラは急にテーブルを離れた。
「……ともかく御主人様? 我々は仕事中ですので、お誘いの方はご遠慮願いたいのです――」
「君、一体君は彼女の何なのだね? まさか白馬の騎士とでも――」
そんな台詞の途中で、ラウラが険しい表情のまま戻ってきた――ソーサーに乗ったカップを軽く音が鳴るのが人によっては心地いいかもしれない。
「飲め。 ――それとさっき説明したはずだ、【私の嫁】と」
さっきよりは優しく置いたようだが、それでもカップからコーヒーが溢れて――。
「え、えっと、コーヒーを頼んだ覚えは……――そ、それに、彼の事、嫁って言うのは――」
「つべこべ言わずに飲め。 飲めないのならば客ではない、この店から出ていけ。 ―
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