第21話 戦争準備
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る正規艦隊だけで20個はありますぞ。ましてや8000隻程で編成されている半個艦隊も合わせれば………」
「それ故のティオジアよ。奴等の総力を結集すればなんとか10個艦隊は編成できるだろう。それを合わせれば現状でも23個艦隊になるではないか」
「しかし、そのティオジアとて何時まで持つか分かりません。あの手の共同体が崩れ出すと脆いのはお分かりでしょう!」
「別に永久に持たせようなどと考えてはおらぬさ。最低でも九王国連合との同盟が成るまで持てばいい」
「九王国連合との……同盟ですか!?」
九王国連合とは、近年ルフェールが発見・接触した新たな国家群の連合体である。
その名の通り、連合を構成するのは九つの王国であり、1国1国の国力はルフェールや旧ロアキアには及ばないにしろ、侮れない武力と技術力を有している。
そして、九つの国家全てを合わせた国力はルフェールより上であった。
この話はまだ民間には知らされておらず、知っているのは上層部の一部のみである。
それ故、この話(そんな国家が存在すること)はルフェール以外で知る国は無い。
「彼らは応じるでしょうか?」
「応じる他ないさ。なにしろルフェールが征服されれば次は彼らの番なのだから。そのときは、我らを吸収してより強大になった銀河帝国と相対するハメになることを分からぬ連中でもあるまい」
「そう持ちかけて我らと同盟を締結するよう揺さぶる…と?」
「揺さぶるも何も純然たる事実だ。我らは善意から帝国の危険性を教えてあげるのだよ、善意からな」
国家間の関係に純然な善意など存在しない。
この場合も表面上は善意であるが、実際には自国の利益からくる善意でしかない。
「そういえば、ティオジアの連中はどうしているのです?」
「話にならんよ。銀河帝国が攻めて来るのは当分先だと安心しきっている。彼の双星の片割れアルベルト・アルファーニは5年以内に来ると説いて回っているらしいが、ウェスタディア、トラベスタ、シャムラバートなど一部の国を除いて何処も本気にはしてないようだ」
「それはまた……頼りないことですな」
「だからこそ九王国連合との同盟を急いでいるのだ。彼らが頼りになるなら、もう少し余裕を持って交渉に臨めたというのに………」
* * *
――宇宙暦810年/帝国暦501年7月7日――
この日、アドルフは御召艦に乗り、10隻程度の護衛艦と共に宇宙を遊弋していた。
もちろん、基本宮殿内でゴロゴロしているアドルフが僅かな護衛しか付けずに宇宙海賊の多発するこの宙域へと赴いたのはそれ相応の理由があった。
「宇宙海賊のものと思われる艦艇30。こちらに向かってきます」
オペレーターから宇宙海賊出現の報告が入る。
彼我の
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