恋のキューピット
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「護堂が重傷だと聞きました!彼は・・・彼は無事なのですか鈴蘭様・・・!?」
時は十数時間ほど遡る。草薙護堂がクトゥグアを弑逆した直後のことである。
『黒の戦士』モードを使用し、辛うじてクトゥグアに勝利した護堂だったが、その代償は大きかった。
・・・主に、護堂が勝利したからと安心しきって、彼の『黒の戦士』モードの欠点を忘れていた鈴蘭のせいで、彼は『戦いが終わってから瀕死の重傷を負う』という、非常に馬鹿らしい状況に陥っていたのである。
いくらカンピオーネの出鱈目な体でも、あの超高熱の空間に権能なしで閉じ込められて無事でいる訳がない。彼は、全身に酷い火傷を負い、更には脱水症状、酸素欠乏症も引き起こしていた。
流石に焦った鈴蘭により、すぐさま転移で船に戻ってきたのである。
そして、ドクターによる治療が終了した直後、話しかける機会をソワソワドキドキしながら伺っていたエリカに質問されたのだ。
最初、王である神殺しに直接質問するのは失礼にあたるのではないか、とエリカは考え、他の乗組員から護堂の状態を聞こうとしていたのだが、何故か全員が、エリカから顔を逸らしながら鈴蘭から聞けとしか言わなかったのである。
この時、エリカが普通の精神状態だったならば、皆の態度があからさまに変だということに気がつけただろう。しかし、『護堂が重傷を負った』という事前情報に、自分でも分からないまま酷く動転していた彼女には、『護堂の状態は、彼らが言うのを躊躇うほど危険な状態』なのだと判断してしまった。
更に焦りを募らせた彼女は、意を決して鈴蘭に直接聞きに行ったのである。・・・それが、皆の企みとも知らずに。
彼女が走り去った後には、(ΦωΦ)フフフ…というか(・∀・)ニヤニヤというか、何か微笑ましい者を見るような雰囲気が漂っていたことに、最後まで彼女は気がつかなかったのである。
「鈴蘭様・・・護堂は・・・どうなのですか?」
そして冒頭に戻る訳だ。
今、エリカの前には、俯いて肩を震わせる鈴蘭がいる。
「まさか・・・そんな・・・・・・。」
その姿を見て、最悪を想定してしまったエリカの顔が青褪めた。
「・・・ゴメン、ね。私が、もっとちゃんとしていれば・・・!」
そして、彼女の考えが、鈴蘭によって肯定される。
「・・・っ・・・!!!」
口元を押さえ、俯くエリカ。彼女の肩に手を乗せ、震えながら鈴蘭は囁いた。エリカの肩にはギュッと力が込められるが、今の彼女にはそれを痛いと思えるような先進の余裕は存在しない。
「・・・行ってあげて。今の彼には、貴方が必要な筈だから。・・・彼の、どんな姿を見ても・・・それを、
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