恋のキューピット
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の!?」
プリプリと可愛らしい起こり方をしている鈴蘭に、素直に頭を下げるドクター。
「お、可笑しいねぇ・・・カンピオーネでも一日は解毒できない物を使ったんだけどねぇ・・・。」
いつものハイテンションがなりを潜め、本気で残念がっているのが手に取るように分かるドクター。
「ど、毒・・・?」
その物騒な単語に顔を引きつらせるエリカ。鈴蘭がその疑問に答える。
「だって、エリカちゃんが護堂君のこと好きになってるのは見てわかってたしぃ?護堂君だって、エリカちゃんのこと嫌ってないみたいだしぃ?ここは一つ、恋のキューピット役でもやってみようかなと思って。」
恋のキューピットというか、単なる出歯亀である。全員が目をキラキラさせながら、ビデオカメラを握り締めていたのだから。
因みに、隠しカメラがこの部屋にはセットされている。様々な角度からこの瞬間を録画して、未来の結婚式の日にでも流してやろうと思っていたのだ。
「だから、意識はハッキリするけど、体はピクリとも動かせなくなる薬を投与してもらったんだけど・・・肝心なところで効き目が切れるなんて・・・!あと一秒!あと一秒あれば決定的瞬間が撮れたのに・・・!!!」
悔し涙を流す鈴蘭に引くエリカ。
しかし、護堂のほうは反対に、額に青筋を立ててキレていた。
「権能を使って『解毒』したんだよ・・・!それでもかなりの時間がかかったんだぞ・・・!」
こんな悪ふざけのために、護堂の権能でも手こずるほど強力な薬を使う。『楽しい事には全力を』がモットーの娯楽主義者らしいやり方だった。
「ちぇっ・・・男の子なんだから、役得とか思っておけばいいのに・・・。解散解散。空気が読めない護堂君なんて知らないモーン。」
「あんた本当に女性かよ!?」
護堂の叫びも虚しく、集まった人間が散会していく。アリスも、「残念です・・・。」なんて呟いているのが始末に置けない。
唖然とする二人を残し、全員がいなくなったのであった。
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