第四十八話 文化祭の準備その二
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「お店は音楽喫茶するから」
「音楽のジャンルは?」
「フリーダムよ」
宇野先輩の問いにこれで返した。
「好きな音楽を演奏してね」
「それでお出迎えね、お客さんを」
「そうするのね」
「そうよ、後は」
まだあった、軽音楽部が文化祭でやることは。
「ステージもね」
「ステージの方もですよね」
「そっちもですね」
「そうよ、皆そっちにも出てもらうわよ」
部長は今度は一年生の問いに応える。二年生も一年生も皆ステージに出て演奏してもらうというのである。
「わかったわね」
「はい、わかりました」
「それなら」
「頑張るのよ」
皆とだ、部長はこう言ったところで右手を拳にして掲げた。その仕草は演説のものだった。
「今日の為にこれまでの私達があると思ってね」
「じゃあ今から」
「全員で」
「一丸でいくわよ」
こうも言う部長だった、こうしてだった。
この日の部活をはじめた、この日の部活はオーソドックスで普段と変わらなかった、だが。
部長はその間もだ、こう言うのだった。
「いい?もうすぐだからね」
「はい、絶対にですね」
「怪我はですね」
「そうよ、怪我をしたらね」
その時はどうするか、部長はこのことも言う。
「シベリア送りよ」
「それって酷過ぎますよ」
「幾ら何でも」
「シベリア送りになりたくないとね」
それならというのだ。
「怪我をしない、いいわね」
「はい、わかりました」
「それじゃあ」
「手だけでなく足もよ」
そこも怪我をするなというのだ。
「皆脚を見せていきなさいよ」
「えっ、脚ですか!?」
「文化祭で生脚見せないと駄目なんですか」
「胸元もよ」
脚だけでなくだ、そこもだというのだ。
「いいわね」
「つまり露出で、ですか」
「お客さんを呼ぶんですね」
「アイドルを見なさい」
わかりやすい例えをだ、部長はここで出した。
「アイドルは生脚も胸元も出すでしょう」
「はい、ステージで」
「グラビアでも」
これはその通りだ、そういうところを出さないアイドルはいない。特にグラビアでの水着はアイドルの生命線と言っていい。
それでだ、部長も言うのだ。
「派手なステージ衣装は一杯あるからね」
「ああ、そういえば歴代の衣装ありますからね」
「コスプレ研究会からも貰えますし」
「あそこからも借りるんですね、派手な衣装」
「それで演奏するんですね」
「そうよ」
その通りだというのだ。
「何ならアニメキャラのコスプレをしてもいいわよ」
「そういえばアニメのキャラの服ってね」
「実際よりもね」
露出が高い、これは二次の世界なので結構露骨な露出をしてもキャラが文句を言わないことが大きく関係している。
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