勝てない理由と偽りの竜
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態で、振り返らずに口を開く。
「怖くないのか?ウルティア」
「ええ、少しも。私はいつでもジーク様を信じてますから」
艶やかな黒髪を揺らし、ウルティアが微笑む。
「そりゃあそうか・・・『お前には命の危険がない』」
「そうね」
ジークレインの言葉に、クスッとウルティアが笑う。
「俺は少し震えてるよ」
口ではそう言うが、ジークレインの体も声も全く震えていない。
「失敗したら、俺は死ぬ」
その言葉を聞いている人間が、ジークレインとウルティアの他にいた。
ぺたぁー・・・と、魔法で紙のように薄くなり、柱に張り付いているヤジマだ。
(失敗したら死ぬ?)
突然の言葉にヤジマは驚愕する。
・・・あまり表情は変わっていないが。
「だが、命をかける価値は十分にある」
そこまで言い、一旦区切る。
そして、笑った。
「これが俺の理想だからだ」
「ええ」
その言葉にウルティアは同意する。
「・・・」
それを聞いていたヤジマは、訝しげに糸目を開いたのだった。
「あと25分・・・か」
コォン、と。
氷の駒が梟の駒を倒す。
倒れていたはずのドラゴンの駒は立ち上がり、女王の駒の横に並んでいる。
「お前ともお別れだな。ジークレイン」
「とりあえず、アンタ達はそれぞれ怪我をしているし、全員ここで待機。ナツが起きたらハッピーが重症者から順に塔の外に出ていく事。いいわね?」
テキパキと物事を決めていくティアに反論できる者などいない。
その場にいて意識のあるグレイ、ハッピー、シモンは、とりあえず頷いた。
「それじゃあ、私はそのショウとかいう奴とアルカ、エルザを追うから。全員ここにいなさいよ」
ティアがそう言い、先へ行こうと足を進めた瞬間――――
「はいはいはーい!その先へは進ませないよー!」
甲高い声と共に、ティア達を囲むように透明オレンジの壁が現れた。
「何これ!?」
「閉じ込められちまった!」
「・・・」
ハッピーが驚き、グレイが叫び、ティアは冷静に沈黙する。
と、そこに1人の少女が姿を現した、
オレンジ色のショートカットに動きやすそうで活発なコスチューム。歳はティアと同じか下だろう。
「お前は!?」
「ジェラールの言ってた4人の戦士か!?」
「うん。そーだよー!」
ニコニコと笑う少女は、ショートカットを揺らして笑う。
「ボクはジェメリィ!じゃあ、あいさつ代わりにこれどーぞっ!」
その瞬間、オレンジ色の魔法陣が展開する。
そこから、先ほどと同じ淡いオレン
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