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やおよろずっ!!
過去の清算編
人形狂(ひとがた くるい)
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の七時、もうメシの時間だ。俺は人形なのに何故か飯は食いたくなる。ていうわけで近くにコンビニがあった筈なので買いに行った。
『いらっしゃっせー。』
店員のいかにもやる気の無いとえを聞き店内に入る。
昔の記憶をたどりカップ麺を購入する。昔の俺、随分と手抜きだな……
コンビニを出る際に時計を確認する。七時半、少し長くなったかもしれない。俺は出来るだけ早足で帰る。しかし、
『や、やだ、離してください!!』

『そうよ! 嫌がってるじゃない!』
女性二人の声が路地裏から聞こえる。あー、そういえばこの国も何かと物騒だった気がする。
俺はなんとなく路地裏を覗く。すると、一人の女性が二人の男に羽交い締めにされてる。もう一人の女性は男に抗議をしている。
なんてチンケな野郎たちだ、女一人を男二人で抑えるなんてな、マンツーマンていうもんを知らないのかよ。しかし、腹が減った。その一心で俺は帰路に付こうとする。女には気の毒だが俺もいい加減疲れた。
そう思った時だった。
『償いはしっかりするんだな』

「ッ!?」
俺はすぐさま後ろを振り向く。でもそこには誰もいない。確かにあの男の声が聞こえた。幻聴、なのだろうか……
「ク、クカカカ……」
思わず乾いた笑い声を出してしまう。
「よほど疲れてんだなァ、俺」
呟きながらナイフを取り出し歩き出した。
「おい、」
俺は二人の男に声をかける。男は俺を見て気だるそうに返事を返す。
「ああ?」
やっぱ日本人だな、適当とはいえ挨拶を返してくれる。
「俺、ここ通りたいんだけどよぉ、さっきからゴミが邪魔なんだぁ……退けてくれねぇか?」
もちろん嘘だ。さっきまで家に帰ろうとしていたからな。
「なんだ兄ちゃん? 女の子助けてカッコつけようってか?」
その女の子は恐怖と期待が混じったような目で俺を見ている。
「だから、ここ通りたいつってるだろ、殺すぞ低脳が、」

「ハハハ! お前みたいなひょろひょろ野郎がか? 舐めるな!殺るぞ!」

「キャハハハハァ!! 墓穴を掘ったな!!」
俺の体重は十五キロ、その上俺を作ったやつは俺にすごい脚力を残した。見かけはひょろひょろだが、運動能力が著しく向上する。
その自慢の脚力で瞬時に相手の懐に入る。
「何ぃ!!」
俺は男の首にナイフを構える。
「少しでも動いてみろ、死ぬぞ……」
そのまま男の腹にパンチを入れる。
そして男は動かなくなった。
「こっちに来てみろ!」
後ろから声が聞こえる。多分さっきの男の仲間だろう。
「んああ……?」
後ろを見ると男が女の首にナイフを構えている。
「コイツの頭が転がるぞ!」
これはひょっとして、脅迫ってやつか?
「……ハァ、」

「な、何だよ!」

「あ〜あ、やっちまった
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