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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第27話 タヌキとキツネを化かせ
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王国から分断された土地。森の北西に在る海沿いの土地。そして、森の東に在るドリュアス領からガリア国境までの土地が在ります」

(森の北西に在る海沿いの土地? 聞いてないぞ。……いや、ギルバートの計画ではその土地を賜れれば有利だな)

 私の思案を他所に、謁見の間は騒然としていた。森に隣接する王領は、全て大きな赤字が出る領地なのだ。森の拡大が止まり、警備をある程度緩く出来ると言っても焼け石に水だ。以後も大きな赤字が出る事に違いはない。

 リッシュモンの発言は、財政的にドリュアス家に潰れろと言っている様なものだ。しかし、それを黙らせるべく声が上がった。

「ドリュアス家には、当家が全面的に支援しましょう」

 発言したのは、ヴァリエール公爵だ。しかし、リッシュモンは慌てなかった。

「公爵の支援があるのでしたら、先程出た土地を全て賜っても問題ないのではないですかな?」

 如何に公爵家が全面的に支援すると言っても、赤字の額が大きすぎる。リッシュモンの発言は、公爵の言葉を逆手に取った発言である。これに国王は暫く黙考し、結論が出せないと考えたようだ。

「今日の話は、ここまでとする。ドリュアス子爵の褒賞も含めて、これより精霊対策会議を始める。ドリュアス子爵。精霊は何時なら連れて来れる?」

「お命じいただければ、3日程でご案内いたします」

 国王は私の言葉に頷くと、私に退出を命じた。

(結果は上々か。……いや、まだ油断は出来ないな。とりあえずギルバートと合流して、公爵に挨拶して……ギルバートだけ先に領地に帰すか)

 そんな事を考えながら、魅惑の妖精亭に足を向けた。

−−−− SIDE アズロック END −−−−



 私が腹ごなしの訓練を終わらせ、魅惑の妖精亭に帰って来て部屋に入ると、既に父上が帰って来ていました。

「父上。ただ今戻りました」

「うむ。おかえり」

 私はサイレントをかけ、父上の向かいの席に着きます。

「父上。首尾の方はいかかでしたか?」

「怖いくらい想定通りだな。上手く行きすぎていて、どこか落とし穴が無いか不安になって来る」

 父上の感想に、私は苦笑いしか出ませんでした。最近の傾向から言って、上手く行きすぎて不安とは逆の問題が出るパターンが多かったからです。

「……否定出来ませんね」

「まあ、それよりも今後の事だが……。ギルバートは公爵に挨拶して、明日には領に戻ってくれ。精霊(分霊)を王都に迎える準備を進めてほしい」

 私は頷くと、公爵から聞いたあの話をする事にしました。

「父上。公爵から聞いた話ですが……」

「ギョームが死んだ件か? 謁見の待ち時間に私も聞いた」

 どうやら父上は知っていた様です。


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