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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第27話 タヌキとキツネを化かせ
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怒りを鎮める事に成功しました」

 場が色めき立ったが、私は更に言葉を続けた。

「……しかし、残念ながら木の精霊の不信感を完全にぬぐう事は出来ませんでした」

 私の言葉に謁見の間が静かになる。

「木の精霊の信頼は、今のところ私個人の物です。当然だと言わんばかりに、交渉役として私を指名して来ました。また、交渉役以外の開拓を禁止すると言って来ました」

 謁見の間のざわめきに、罵る様な言葉が混ざり始めた。

「そして木の精霊は、森に住まう者達の解放を宣言しました」

 再び場が静まり返る。

「幻獣・魔獣は解放されて、自由に動き回る様になるでしょう。と言っても、その殆どが森にそのまま住みつくと思われます。亜人はただ森に住んでいただけですが、居なくなる訳ではありません。住む場所を守るために、全力で抵抗して来るでしょう」

 私は国王が頷くのを確認してから更に続けた。

「魔の森……いえ、精霊の森の開拓は時間をかけて、ゆっくり行うべきだと思います。また、私の言葉が真実である証明は、木の精霊に分霊をお願いして王宮までご案内しようと思います」

「何故今木の精霊を連れて来なかったのですかな?」

 先程のリッシュモン傘下の馬鹿が、余計ないちゃもんをつけて来た。私に対して、言外にその位の効率も考えられないのか? と言っている。……阿呆だ。

「木の精霊と会談するのに、人間(こちら)側の意思を統一する必要が無かった。と言いたいのですか? 如何考えても、木の精霊を怒らせるだけと思いますが」

 謁見の間に居る人間の視線が、蔑みの視線となって馬鹿に集中する。リッシュモンでさえ、怒りの表情を浮かべている。……あの馬鹿終わったな。そこでようやくリッシュモンが口を開いた。

「陛下。ドリュアス子爵はこう言っていますが、残念ながらトリステイン王国の財政では森の開拓は急務です」

 ……ここは反論すべきだな。そしてこの反論が、今後の成否を分ける。

「リッシュモン卿。ドリュアス家では、用意できる資金に限界があります。また、資金を借り受ける事が出来たとしても、現在のドリュアス家が森と面している範囲は狭いです。効率的に投入できる資金にも限界があります。またそうなれば、騎獣の数も足りなくなります。如何考えても、現実的でないと思いますが……」

 そこで一瞬だけリッシュモンの顔に、喜色の色が浮かんだ。

「何を仰るのかな? ドリュアス子爵よ。王国への忠誠を示すのに、頭を下げられないと仰るのかな? そして、森に面する土地が足りなければ私に提案があますぞ」

 リッシュモンはしたり顔で続ける。

「陛下。森に隣接する王領を、ドリュアス子爵に賜ってみてはどうですかな? 現在森に隣接する王領は、森の南西に在る森に
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