第一章 〜囚われの少女〜
少女の名
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方から、何かが見えた。
こちらから警戒心を露わにする。
「誰!?」
一瞬びくりと動いたが、向こうにいる人物は恐る恐る、こちらを覗いてきた。
どちらにも怯えの色が見えるなか、互いに声なくにらみ合う。
その目の位置からすると、自分と同じくらいの背をした人物らしい。
少しおどおどとした、震えているかのような、そんな相手の様子が見て取れる。
そして、ようやく口を動かした。
「あなたは……誰なの?」
いきなり現れた謎の人物に名前を聞かれるとは、なんだかおかしな気分だ。どうやら向こうは何も知らないらしい。警戒するには値しないようだ。
「私の名前は――」
こちらの方から告げる。
「もう、必要のない名前だけど」
牢獄の中の、少女の赤い瞳は、どこまでも真っ直ぐだった。
「――レナ。私の名前は、レナ・オレリア――」
−第七幕へ−
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