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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
第13次海鳴防衛戦
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のか。分からない。頭が痛い。全身が疼く。内側から人格管制プログラムが貪られているのか。ダメだ。楽になってしまえ。認められない。頭が痛い。


頭が痛い。少し思い出した。防衛プログラムは666を超える因子が集合した意志の塊だ。烈火が攻撃を仕掛けてきたのでディバインバスターを連射して数で押す。
また思い出した。この世界での主をこれに食わせたくない一心で実体化の際にこいつに入り込み、どさくさで形だけ元の歴史と同じになるよう整えたのだ。体が弾けそうに脈動する。
それで、頭が痛い。時間稼ぎのために自分の体を檻にしていたのだ。

その檻が軋む。思考が、体が、侵食される。


でも、この忌まわしい体の中に主はいない。

それは私の希望。

あなうれし。これが私の叶った希望。いとおかし。これが私の初めて握った希望。


それでいいのか、と自分が問うた。あの少女の約束を冒し、あの猫を殺した手でそれを言うのか、と。

ああ、そうか。

あれは、防げる事故だった。それを止めなかったのは私ではなく防衛プログラム(お ま え)だったのか。ああ、それならば。みすみすここで消えてなる物かよ。
我が運命には絶望しか待ってはいないが、せめて私はあの小さな口約束と小さな少女のために、この命を燃やし尽くそう。最後のひとかけらの意志まで食い尽くされる、その時まで。

頭の痛みは消えていた。残されたのは、後幾許(いくばく)もせずに虚数に消える、わが器。



闇の書は戦い続ける。防衛プログラムと言う最悪の敵の権限と顕現を防ぐために。それは他の誰にも認知され、理解されることのない孤独な戦い。手遅れに限りなく近い、しかし幸せな戦い。



・・・え?クロエが感づいてる?知らんがな(´・ω・`)



 = = =



結界を抜けた。ゼルギウスさん曰く普通の結界術では中の戦闘に耐えられなくなったため、なのはが連れていたあのイタチとマリアンさんの二人係りで維持しているらしい。難しいことはよくわからないが、そういうことだ。

「で、結局あれは何なの?なのはは・・・どうなっちゃった訳?アンタの格好は何なの?それから・・・」
「アリサちゃん、そんなに一度に聞いたら・・・」

家界を脱出して開口一番アリサちゃんが発した言葉はそれだった。すずかちゃんは僕の厨二臭い恰好が気になるのかこちらをチラチラ見ながらも、やはりなのはが気になるのかアリサの言葉を止めはしなかった。
どうしよう・・・隠し事は嫌いだし言い訳もできなさそうな気がするので正直に言おう。

「実は僕たち、魔法使いの兄妹だったのです」

「クロエ、あんた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・脳が」
「駄目だよアリサち
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