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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
第13次海鳴防衛戦
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付けられた時に死んだ闇の書という名の仮面が、一度は家に取り込んだ同胞たち。そして私に正面から立ち向かった魔導士の一人、高町なのは。私が死に、主が救われるきっかけを作った存在だ。残りの二人は知らない顔だった。

黒と赤の見知らぬ騎士は目をつむり、体を地面に横たえている。先ほどまでシグナムとぶつかり合っていたのはこの騎士だろう。危険因子だ。存在を抹消しなけれ―――違う。それほどの実力があるならば間近で見ればよかった。

烈火の将は湖の騎士の治療で既に傷を回復したようで、こちらを警戒するように睨みつけている。想像以上の回復の速さに加え、ロストロギアを武器として使用しているとあらば警戒度を引き上げなけれ―――違う。考えなければならないのはもっと別の事だ。

見知らぬ女はどうやらもともと私を追いかけており、ここにいるのは先回りした結果らしい。高町なのはに劣らぬ魔力量だ。蒐集し我が力の一部にすればさぞかし素晴ら―――違う。

頭が痛い。脳髄の裏側を徐々に毟り取られていくようだ。私はどうしてここに来たのだったか。主の為か?そう、内なる獣が貪る前に器を破壊して欲しくて?最初に考えたことと違うような気がする。忘れられたくないからだったか?分からなくなってきた。

連中がこちらを見上げる。さて、何をしようか。まずは名乗り出も上げるか。

「闇に、染まれ」

おかしい。いつの間にか手には闇の書が、もう一方の手はベルカ式の魔方陣を出現させ、問答無用で攻撃を仕掛けていた。発動直前に高町なのはを庇いながら面白い盾を展開したマリアンとかいう魔導士は攻撃を防ぎ切ったようだ。が、代償として(ビット)が砕け散ったようだ。

烈火と鉄槌、盾は回避。湖は逃げ遅れたようだが意識を失っていた知らない少年―――クロエ、と言うらしい―――の体がひとりでに動いて庇ったようだ。一切ダメージを受けていない。やはりあれは危険だ。完全無意識の体を動かしたのは彼の者のデバイスか。あれも危険だ。

意識を取り戻す前に封印なり必要な措置を取れば連中は瓦解し―――そうではないだろう。あのナエと言う少女に誰も殺さないと約束したのではなかったのか。まぁそんなことはいい。全くよくないだろう。何が?

頭が痛い。心の何処かが警告を発している。五月蠅い。耳を傾けねば。そんな言葉は忘れてしまえ。そうか、防衛システムか。知らん。思い出した。忘れていろ。少しでも時間を稼ぐためにこの醜い妄執の塊を再びこの身に封じた。完全に封じられるとでも?それに抵抗していたことさえ忘れていたのか。何を?忘れてしまった。それでいい。よくない。魔力反応を持たない原住民2名を補足。

フォトンランサー・ファランクスシフト転写。最適化。なぜ戦う?必要があるのか?頭が痛い。撃てば原住民を巻き込む。どうでもいい?約束は破る
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