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ギラン
休息
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「あぁ、呉々も注意するようにな」

二人の男は頷きあいお互いの役割を確認し会った。



部屋に入るなり寝てしまったナターシャに毛布をかけながら笑みをこぼす。

「ほんとに楽しそうでしたね」

キャスタも疲れが顔に出ているが満足した表情で

「あのようなお姿を拝見できるとは家臣としては嬉しい限りだ」

と答える。
そして鎧を外し剣を置くとキャスタも横になる。
最近は慣れてきたようで堅苦しい佇まいは消えていた。
それに倣ってフィオナも横になり目を閉じる。

「ひとつ聞いてもいいですか?」

不意に問いかけられたキャスタはフィオナに顔を向け聞き返す。

「何か?」

「ナターシャ様のお話によく出てくるアレンさんとは何者ですか?」

キャスタは暫く考え口を開く。

「ナターシャ様の騎士。無償で命を懸けて御守りした男だ」

「へぇ・・・。同行はされていないんですね」

「酷い怪我で療養していたからな。ま、私も会ったことはないけど。いつか会うときがくるさ」

フィオナは王子様のような人物を思い浮かべる。

「素敵ですね。羨ましい」

キャスタは声にこそ出さなかったが微笑みを作り表情で答えた。
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