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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
第13次封神計画
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差し出され、なんだか情けない気分になった。
ぽんずを喪ったせいなのか血を流したせいなのか、私の足取りは少々おぼつかなくなっている。ふらふらしている時はいつもぽんずが支えるように隣を歩いてくれたのだが、と無意識にまたぽんずを頼ろうとしてしまう。
―――家族を喪って平気な人なんていない、か。
そんなのは当たり前の事だろうに。今だってほんの少し気を抜いたらまた崩れ落ちて泣いてしまいそうな気分なのに。自然治癒した掌に、不甲斐無い自分やあの闇の書を名乗る女への怒りを爪に乗せて突き立てそうになるのに。
闇の書を感情に任せて殺すことは出来た・・・と思う。四宝剣は私の感情の爆発に相応しい力であの女を塵芥に帰すことが出来ただろう。それでもそうできなかったのは、自分が望んだことを彼女が実行したに過ぎない事と、ツヴァイに続いて今度は直接手を下そうとする自分が狂ってしまわないように精神が歯止めをかけたからだ。
最低の更に下、餓鬼道か畜生道に堕ちるのを怖がって、これ以上の”責任”を負いたくないと無意識に保身に走った私に、彼女へ怒りを向ける資格など無い。
シュテルちゃんがメカメカしい杖のようなものを掲げると同時に砂浜に桜色の光が収束する。力の循環を現す円とそれに法則性を持たせる図形と見たことのない文字が立体映像のように浮かび上がり、強い光が奔った。
光が晴れた先には、シュテルちゃんが言った通り両断されていた身体がきれいに結合されたぽんずがいた。
本能的に、目を逸らす。
それ以上ぽんずの亡骸を見つめては、綺麗な体に戻ったぽんずが実は生き返ったのではないかという錯覚を覚えてしまいそうだったから。ありもしない希望に縋ると、現実を思い知らされた時が余計に悲しい。
「ナエ、でしたね。貴方は・・・強いです」
「そんな事、絶対ない・・・臆病なだけ、逃げてるだけ」
「臆病であることと弱い事は、イコールではありません。嫌なことから逃げて周りに当たり散らすよりも、そうやって事実を理解しようとする姿勢を取る方が難しいですよ」
「そう、なのかな」
「私はそう思います」
そう言ってシュテルちゃんはほんの微かに微笑む。私はそんな彼女に思わず動揺してしまった。私は事実を目の当たりにしてこれ以上自分が傷つかないように保身しているに過ぎない。だがシュテルちゃんが言いたいのは「自分の心にある傷や嫌な感情を自覚することが難しい」という事だろうか。
どうにもむず痒い。彼女からは腫れ物に触るような同情が感じられないが、確かな思いやりや気遣いが感じられた。勝手なイメージだがお世辞ばかり言う人間も見えない。そんな風じゃないのに、とも思うが、少しだけ―――ほんの少しだけだが、気が楽になったような気がした。
自分の中を渦巻く感情の渦は収まる気配を見せない。今
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