TURN109 モスクワ攻防戦その七
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「そうよね」
「そうだ、パイプオルガンを撃たせないことだ」
それが大事だというのだ。
「だからだ、いいな」
「わかったわ、それじゃあね」
スカーレットはモニターから応える、そしてだった。
己の乗艦である信濃の艦橋からこう命じた。
「全艦このまま攻撃を続けるわ」
「前方にいる敵軍をですね」
「このまま攻撃していくのですね」
「そうよ」
まさにその通りだというのだ。
「とにかく目の前にいる敵艦隊を攻撃して」
「攻撃対象の優先順位は」
「最初はヘリ空母よ」
ソビエト軍の今現在の主力艦艇であるこれをだというのだ。
「優先的に攻撃して」
「わかりました」
「そして次は戦艦よ」
続いてこの艦艇を攻めよというのだ。
「いいわね、それから駆逐艦よ」
「わかりました、それでは」
「その順番で攻めます」
「敵は動揺しているわ」
パイプオルガンを仕掛けられずしかも陣中深くに入られているからだ、動揺しない方がおかしなことである。
「その動揺を衝くわよ」
「了解です」
将兵達は海軍の敬礼で応えた、そうして。
彼等はスカーレットの指示通り正面の敵を倒していく、それを続けてだった。
敵の穴を開けていく、そのまま突破した。
突破して即座に反転する、その速さはパイプオルガンを放つ暇もない。
再び突撃を仕掛けソビエト軍の陣を破った、二度目の突撃でソビエト軍はその数を大きく減らしそして陣も乱れた。
ロシアはその自軍を見てジューコフに言った。
「このままだと危ないね」
「はい、数はかなり詰められています」
まだ彼等の方が数では優勢だ、だがそれでもだというのだ。
「もう一度攻撃を受ければ」
「危ないね」
「方陣を組みます」
枢軸軍は彼等の陣を突破し反転する最中だ、今は攻撃を仕掛けて来ない。そしてその間にだというのだ。
「そうしましょう」
「それで枢軸軍の突撃を防ぐんだね」
「艦隊ごとに正方形の方陣を組みます」
そうしてだというのだ。
「そのうえで方陣ごとに連携して守りましょう」
「それだけじゃないよね」
「ドクツ軍に協力を要請します」
同盟国の彼等にだというのだ。
「我々が止めている間にです」
「彼等に攻めてもらうんだね」
「はい」
その通りだというのだ。
「ここはそうしましょう」
「それしかないね、それじゃあ」
「全軍艦隊ごとに正方形の方陣を組め」
ジューコフは指示を出した。
「いいな、そしてだ」
「ドクツ軍に協力を要請します」
幕僚の一人がジューコフに応える。
「ここは」
「そうしてくれ、すぐにだ」
「敵の側面を衝いてもらいますね」
「うむ」
そうだとだ、ジューコフはその幕僚に短いが確かな声で答えた。
「そうしてもらう」
「
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ