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我が剣は愛する者の為に
黙って城の中にいると思いきや
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全く反応していない。
そう、ピクリとも動かない。
しかも三人ともだ。
何度か餌が食われているのでは?、と思い引き戻しても餌は食われた痕すらない。
周瑜は孫策の反応を無視して、ぼ〜っと糸を見ている。

「もうすぐ食いつくから。」

「それ。
 さっき聞いた。」

「あははは・・・・」

苦笑いを浮かべる事しかできない。

「もういい!
 釣りは二人に任せて、私は木の実とか探してくる!」

「えっ!?
 ちょっ!」

俺が何かを言う前に、孫策は竿を置いてどこかへ行ってしまう。
追い駆けるかどうか、迷っている時に周瑜が言う。

「放っておけ。
 すぐに戻ってくるさ。」

「でも、大丈夫なのか?」

「この森は孫堅様と何度か来ている。
 だから、迷う事はないだろう。」

と、周瑜が呑気にそんなこと言っていると糸がピクン、と反応した。

「「おっ。」」

次の瞬間には竿が曲がり、引っ張られる。
周瑜は力いっぱい引き上げると、20センチくらいの魚が釣れた。

「ようやく一匹目だな。」

「だな。
 おっ、俺の方も来たみたいだ。」

俺の竿にも反応があり、引っ張ってみると周瑜より少し大きめの魚が釣れる。
その後はさっきまでの静けさが嘘のようだった。
バンバン、魚は釣れていき、気がつけば10匹くらい釣れていた。

「これ、食い切れるか?」

「何とかなるだろう。」

魚はもういいので、竿を治し、火の準備をする。
周瑜は魚に木の棒を突き刺し、俺は火の準備をする。
師匠とよく野宿はするので、火の起こし方は分かっていた。

「しかし、孫策遅いな。」

俺は木の板に木の棒を刺してくるくると回して、摩擦熱を起こしながら帰りの遅い孫策の心配をする。
気になっていたのか周瑜も俺の言葉に同意する。

「確かに遅いな。」

その時だった。

「冥琳、関忠!
 ちょっと来てみなさいよ!!」

と、森の奥から孫策の声が聞こえた。
俺達は手を止めて、声のする方に向かう。
少し歩くと、孫策の後ろ姿が見えた。

「雪蓮、何をやって・・・・」

周瑜は何かを言おうとしたが、言葉が続かなかった。
後から来た俺は何があったの確認すると、俺も言葉が出なかった。
孫策の前には大きな熊がいた。
大きな熊の前に、孫策は脅えるどころか、こちらを見て手を振っている。

「ねぇねぇ、大きいでしょう!
 さっき木の実を採っている時に見つけたの!」

笑顔でこちらに振り向きながら、呑気にそう言う。
心なしか、熊から荒々しい息が聞こえる。

「なぁ、周瑜。」

とりあえず、俺は周瑜に話しかける。
もちろん、左手には木刀を掴み、視線は熊から注意を逸らさずに
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