第二十五話 〜Mother&Children or Family【暁 Ver】
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悪くないで」
「もう。……スバルの訓練メニューを考えなおさなきゃだよ。もう少し厳しくてもいいよね」
そう言って、なのはさんはスバルに柔らかく微笑んだ。誰が見ても優しい笑顔だが、スバルには違うものに見えているだろう。その証拠に、この世の終わりのような顔をしている。また余談になってしまうけれど、あたし達の訓練メニューも少しずつ変化してきている。基礎訓練中心のメニューから『セカンドモード』を使いこなすための訓練メニューへ。……アスナ以外は。
アスナが使う魔力と気(あたしは未だに気がよくわかっていないが)による『全身強化』は恐ろしく燃費がいい反面、一つの問題を抱えていた──── アスナ自身の体力だ。アスナによると、パワーとスピードは上がるが、体力が増えるわけじゃないと言う話だ。スピードにしても移動速度が速くなるわけではなく、反応速度が上がる。
アスナ自身の基礎体力は高くはあるが、無限ではない。魔力と気に余裕があっても、体力が尽きてしまえば動けなくなってしまう。それを……あのキャンプ場での一件で証明してしまった。ベストなコンディションではなかったとは言え、三十分程度走り続けただけで疲弊してしまったのだ。そこでなのはさんは、アスナの訓練メニューをスタミナ増強を目的としたものへと切り替えた。元々戦闘技術は完成されているし、アスナの魔力運用はミッドの魔導師とは、かけ離れている為に手が出せない。
懇切丁寧に説明したなのはさんに対して、アスナは訓練メニューを素直に受け入れた。口を開けば、死ねと殺すが口癖だった昔のアスナは、もういない。……今から考えれば酷い口癖だ。
「まぁ、そう言う事や。さて、スバルの恥ずかしい過去話も聞けたことやし、今度は聖王教会本部での報告やな。……ちょう長くなるで。その前に、アスナちゃん起こしてくれるか」
幾人かが、驚愕の眼差しでアスナを見る。お察しの通り、ソファへ横になってからすぐ夢の中でした。
「なんか、拍子抜けだったなぁ」
「スバル……」
「うん、わかってるよ。……みんな、優しいから。それは、取敢えず置いとくとして。八神部隊長の話。ティアは、どう思った?」
「肝心なことを話していない。そんな感じがするわ。……六課設立の動機が、ちょっと弱いような気がする。でも、構わないわ。全部話していないのはお互い様だしね。ところで、アスナは?」
あたしは、キーをタイプする手を暫し休めるとスバルへそう問いかける。
「この時間だと、自主訓練中じゃないかな。訓練場で」
スバルの予想通り、アスナは訓練場に──── は、いなかった。彼女の姿は中庭にあった。爽やかに頬を撫でる風が緑の芝生を波間のように揺らす。その中央に桐生アスナは静かに佇んで
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