心の鎧
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て来い」
「あ・・・いや・・・」
「どうした?もう降参か?」
エルザの涙を見た、という事に動揺し、グレイは戦意を完全に失う。
少しの間戸惑い、ゆっくりとエルザに声を掛けた。
「お・・・お前・・・何でいつも1人なんだよ」
「?」
グレイの問いにエルザは首を傾げ、俯く。
そのまま、伏し目がちに呟いた。
「1人が好きなんだ。人といると逆に不安になる」
グレイはエルザの過去を知らない。
だから、何故エルザが1人を好み、人といると不安になるのかも解らない。
が、1つだけ、聞きたい事があった。
「じゃあ、何で1人で泣いてんだよ」
「うおおぉおぉ!」
成長した少年は青年になり、かつて仲間だと認めなかった人間の為に、戦っていた。
「ホッ、ホボォ!」
「どけ!」
そのグレイの迫力に、梟は怯む。
怒りに顔を染めるグレイの腕に、氷の刃が現れ―――――
「氷刃・七連舞!」
梟に、連続斬撃を決めた。
「ホボォホォォ!」
梟が叫ぶと同時に、その口からナツが飛び出てくる。
(アイツはいつも孤独で・・・)
それを見たハッピーが目に涙を滲ませながら、笑う。
(心に鎧を纏い・・・)
梟は、どさりと地に落ちる。
(泣いていたんだ)
魔法を発動させたときの構えのまま、グレイは言い放つ。
「エルザは妖精の尻尾にいなきゃいけねぇんだ。涙を流さない為に」
その言葉にシモンは驚愕で目を見開き、ティアは無表情に戻って溜息をつき、ナツは気を失っており、梟は意識を失った。
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