心の鎧
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
駆けていく。
「マズイ!」
「ティア、避けてっ!」
シモンとハッピーが叫ぶが、梟の口はもう目の前にある。
その俊敏さに驚きながらも、ティアが腕で防御態勢を取り、覚悟を決め目を閉じた、その時。
「ぐおっ!」
ティアではない声がした。
ゆっくりと目を開き、『梟に喰われかけている』人間に目を向ける。
それは梟の狙いであったティアではなく―――――
「グレイ・・・」
「グレーイ!」
その後ろにいたはずのグレイだった。
ティアが呟き、ハッピーが叫ぶ。
「!」
喰われかけているグレイは、梟の左腕に手を当てる。
そこから一気に、ピキピキと氷を出現させていく。
「オホォ!」
その氷はすぐにかなりの大きさになる。
「冷たっ!」
寒さや冷たい物に弱いナツをキャプチャーしているからだろうか。
梟は耐え切れず顔を上げ、それによりグレイが喰われかけ状態から脱出した。
「こんな所でモタモタしてる場合じゃねぇんだ!」
「またエルザにやられたのか、グレイ」
「しつけーなお前も・・・惚れたか?」
「うっせぇ!」
今はギルドの中年組と化しているマカオとワカバの言葉に、グレイは噛みつく。
「しっかし、エルザちゃんもあのグレイをここまでやるってんだからすげーよな」
「1度ティアちゃんと戦わせてみたいね。修行になるよ」
「おー、イオリ。いたのか」
「今帰ってきたトコ。さぁて、今日もティアちゃんと修行するかな!」
そう言って腕を伸ばすのは『イオリ・スーゼウィンド』。
彼女がティアにとって一体何者かは少し解るかも知れないが・・・今のギルドに彼女の姿はない。
彼女に何があったか、それは後に解る事だろう。
「妖精の尻尾の未来をしょって立つエルザ様ってか」
マカオの言葉に、グレイは力強く、イライラをぶつける様にテーブルを叩く。
「俺はあんな奴、仲間とは認めねぇ!」
「エルザを連れて帰るんだ!」
河川敷。
そこにエルザは1人、座っていた。
「見つけたぞ、エルザァ・・・」
こっちに全く気づいていないエルザを見つけ、グレイはエルザに向かっていく。
「今日こそお前を倒して・・・」
ドドドド・・・とエルザに向かって走っていく。
それに気付いたエルザはゆっくりと振り返った。
―――――左目に涙を浮かべて。
「!」
エルザの涙を見たグレイは、思わず足を止める。
「お前か・・・全く、懲りない奴だな・・・・」
グス・・・と鼻を鳴らしながらエルザは立ち上がり、涙を拭う。
「いいぞ、かかっ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ