暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
心の鎧
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駆けていく。

「マズイ!」
「ティア、避けてっ!」

シモンとハッピーが叫ぶが、梟の口はもう目の前にある。
その俊敏さに驚きながらも、ティアが腕で防御態勢を取り、覚悟を決め目を閉じた、その時。

「ぐおっ!」

ティアではない声がした。
ゆっくりと目を開き、『梟に喰われかけている』人間に目を向ける。
それは梟の狙いであったティアではなく―――――

「グレイ・・・」
「グレーイ!」

その後ろにいたはずのグレイだった。
ティアが呟き、ハッピーが叫ぶ。

「!」

喰われかけているグレイは、梟の左腕に手を当てる。
そこから一気に、ピキピキと氷を出現させていく。

「オホォ!」

その氷はすぐにかなりの大きさになる。

「冷たっ!」

寒さや冷たい物に弱いナツをキャプチャーしているからだろうか。
梟は耐え切れず顔を上げ、それによりグレイが喰われかけ状態から脱出した。

「こんな所でモタモタしてる場合じゃねぇんだ!」








「またエルザにやられたのか、グレイ」
「しつけーなお前も・・・惚れたか?」
「うっせぇ!」

今はギルドの中年組と化しているマカオとワカバの言葉に、グレイは噛みつく。

「しっかし、エルザちゃんもあのグレイをここまでやるってんだからすげーよな」
「1度ティアちゃんと戦わせてみたいね。修行になるよ」
「おー、イオリ。いたのか」
「今帰ってきたトコ。さぁて、今日もティアちゃんと修行するかな!」

そう言って腕を伸ばすのは『イオリ・スーゼウィンド』。
彼女がティアにとって一体何者かは少し解るかも知れないが・・・今のギルドに彼女の姿はない。
彼女に何があったか、それは後に解る事だろう。

妖精の尻尾(フェアリーテイル)の未来をしょって立つエルザ様ってか」

マカオの言葉に、グレイは力強く、イライラをぶつける様にテーブルを叩く。

「俺はあんな奴、仲間とは認めねぇ!」








「エルザを連れて帰るんだ!」








河川敷。
そこにエルザは1人、座っていた。

「見つけたぞ、エルザァ・・・」

こっちに全く気づいていないエルザを見つけ、グレイはエルザに向かっていく。

「今日こそお前を倒して・・・」

ドドドド・・・とエルザに向かって走っていく。
それに気付いたエルザはゆっくりと振り返った。



―――――左目に涙を浮かべて。



「!」

エルザの涙を見たグレイは、思わず足を止める。

「お前か・・・全く、懲りない奴だな・・・・」

グス・・・と鼻を鳴らしながらエルザは立ち上がり、涙を拭う。

「いいぞ、かかっ
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