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パンデミック
第三十四話「もう一人のクラウソラス」
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どころか、首を絞める力がどんどん強くなってきた。

「ッ!うっ……あぁ……………」

抵抗する力が、段々なくなってきた。


「うっ…………放………し……て」


抵抗の力だけでなく、意識まで薄れてきた。













「なるほど、てめえが原因か」




背後から聞こえた声にジェミニが振り向いた瞬間………


ジェミニの身体が勢いよく吹っ飛んだ。

「ッ!?」

壁にぶつかり、ジェミニはようやく自身に起こった事態を理解した。
蹴り飛ばされたのだ。

「うっ………ゲホッ、ケホッ………ハァ、ハァ………」

ジェミニの拘束から逃れたユニは、欠乏していた酸素を肺に送る。


「………誰です?……あぁ、確かクラウソラスの……」

「よく知ってるなクソ野郎」


「俺様は"クラウソラス"のネロ。てめえが本部内の混乱の要因だな。即刻殺す」

少し長めの黒髪を束ねた若い兵士は、自身の武器を構えた。
変わった武器だった。

見かけは、大きなチェーンソーのようだったが、鋸のパーツが少し大きく、エンジンパーツが小さい。
そして、持ち手の部分に鉄の鎖が繋がれていた。

ネロが戦闘用にチェーンソーを改造したのだ。







「さて……クソ野郎の解体ショーを始めるか」




そう言うと、ネロは戦闘用チェーンソーを起動させた。

銀色の鋸が、ジェミニを殺さんと回転し始めた。
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