第5章 契約
第78話 生きている炎
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界を構築。俺たちに対して衝撃波がもたらせる被害を最小限に止める。
そう、あれは単なる炎の塊ではない。おそらく、これからこの場に召喚されようとしているヤツの触手。
但し、ヤツの本体は最悪ならば恒星サイズ。つまり、本当の意味で言うヤツの触手のレベルも、太陽のプロミネンスぐらいの大きさは有るはず。
爆風はあまりの高熱源体が発生した為に起きた物。そして、雷も同じく周囲に存在する大気が一気にイオン化して発生した電子に因り発生した雷。
常識を超越した存在が、物理法則に従って発生させた現象。これは、魔法や神の奇跡の類ではない。
その炎が一度撫でて行った事により、下降体勢に入っていた飛竜の数十体が一気に撃ち落とされた。
「あれ。……今、大地に描かれつつある召喚円で呼び出されようとしているのは、生きている炎クトゥグァの可能性が高い」
推測に過ぎない内容ながらも、それ故に最悪の予測を口にする俺。
そう、生きている炎クトゥグァ。コイツに付いては、実は詳しい記述が残されて居る訳ではないので正確な事が言える訳では有りません。そもそも、大きさについても恒星クラスだとか、惑星クラスだと言う曖昧な記述しか存在せず、炎なのか、それともプラズマなのかはっきりしない存在で有るのも間違いない邪神です。
一応、記述に残されているヤツの召喚に必要なのは呪文と星辰。具体的にはフォーマルハウト星の位置なのですが、今宵のこの周囲は蒼穹自体が歪んで見えて居り、その上に、今は地上から発生している炎の発生させる高温に因って陽炎が立ち昇って居る状態なので、更に蒼穹が歪んで見えているはずですから……。
星辰が整っているのかどうかさえ不明。
「アレ。今、燃え広がって居る炎については、普通の消火作業が通用するとは思う。しかし、その炎を広げている元凶。最初に発生した強い蒼白い光に付いては、通常の消火作業は通用しないと言う事を、騎士団を指揮している人間に直通の【念話】で伝えて欲しい」
炎を広げている元凶。おそらく、炎もたらすモノと呼ばれるクトクグァの奉仕種族。
そいつは超高熱のプラズマの塊だと言われている存在で、普通の消火方法。水を掛けるなどと言う方法で倒す事は不可能だと言う記述も存在しています。
巨大な……。しかし、クトゥグァの触手としてはかなり小さなサイズの炎の触手が振り抜かれた瞬間、数十体の飛竜が騎士ごと吹き飛ばされ――――
そしてそのまま混乱から壊乱状態へと移行するかに思われたマジャール侯爵麾下の飛竜騎士団は、しかし、一瞬の内に体制を整えて上空……俺たちが滞空する個所まで一気に上昇して来る。
「それで、リ……ルイス。私たちは何をしたら良いのです」
騎士団の飛竜たちと同時に俺とアリアの高度にまで昇って来たマジャール
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