反董卓の章
第14話 「所詮は私も……道化なのでしょうね」
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んが……まあ、それは後でいいだろう。
まずはこの馬鹿を登りつめさせる。
そして、その権力で他の奴らを臣従させれば……
いや、その前に俺には殺らなきゃならん奴がいる。
北郷盾二……やつだ、ヤツを殺させねば。
次の虎牢関で出来ればヤツを暗殺させたいが……だがどうやる?
ヤツは……劉備はすでに武勲を立てた、立てすぎた。
次の虎牢関では、ヤツを先陣のままのままにできるだろうか?
おそらくは無理だろう。
このまま虎牢関までヤツに陥落させられたら、武勲が立ちすぎる。
つまりは名が漢全土に轟くことになる。
それを防ぐためにも、他の諸侯……袁術や曹操あたりが前に出ようとする可能性が高い。
だが、相手は虎牢関……おそらくは天下の飛将軍とまで言われた呂布がいる。
そう簡単に行くとも思えない。
ならばどうするか……
ふむ。
先陣を譲らせ、中陣で袁紹軍の前に立たせるか。
そうすれば先陣が壊滅するなり打撃を受けた後、入れ替えて前に出せばいい。
いかな虎牢関とて波状攻撃をすれば、かなりの打撃を与えることが出来るだろう。
あとは陥とす前後に暗殺できれば御の字とすればいい。
出来れば呂布と一騎打ちでもしてくれれば、もろともに殺すことも出来るのだが……あの高笑いの馬鹿に、少し誘導させてみるか。
俺が直接言ってもいいのだが……いやまて、ヤツには面が割れている。
やはり会うのはまずい。
あの馬鹿に言い含めるとするか。
まあ、受ければよし、受けなくても問題はない……どの道、いずれは必ず殺す。
そうだな……ヤツを暗殺するためにも、暗殺者や毒矢の準備もしなくてはな。
これは忙しくなってきた……
―― 盾二 side ――
水関を陥落させてから二日。
用意させておいた金品を回収させた次の日である。
俺は今、袁紹の大天幕の中で、思わず呻いていた。
本来はこの軍議、次の虎牢関に向けての軍議だったのである。
だが、何故か袁紹は俺を指名し、この軍議の間に呼び出された。
そして――
「白蓮が……?」
「ええ。白蓮さんは、劉虞様の非道を正すため、自領地に戻られましたわ。皆さんによろしく、とおっしゃってましてよ」
袁紹から知らされた事の経緯を聞いて、俺は劉表の隣にいる桃香と顔を見合わせた。
桃香の顔には心配げな表情が浮かんでいる。
やはり劉虞の改心は、白蓮を自領地から引き離すための工作だったのだ。
あれだけの虐殺をした劉虞だ、そう簡単に改心などするはずもないとは思っていた。
だが……人のいい白蓮は、それを信じたのだろう。
桃香という、漢王朝の血を引き
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