反董卓の章
第14話 「所詮は私も……道化なのでしょうね」
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「我々はあくまで檄文を出し、それに応じた諸侯を参入させたに過ぎませぬ。劉虞との約定自体は守ったのですから、責任は果たしております。公孫賛がこの連合を抜け、自領地が劉虞によって荒らされたとしても、私達とは関係のないことです」
「……ですけど、白蓮さんはわたくしのことを恨みに思うのではなくて?」
劉虞と共謀し、白蓮さんを北平から引き離す。
その隙に劉虞は北平を乗っ取って、白蓮さんを殺す。
そういう話ではあったはず。
「それこそ逆恨みでしょう。我々は、劉虞から彼女を殺せとは言われていません。逆に保護してあげたと言っても良い。自領地に自分で勝手に帰ったのですから、公孫賛は逆に本初様のお心に背いた形にもなっています」
「わたくしの心……」
「後は劉虞次第です。戻った公孫賛を殺せるか、それとも激怒した公孫賛に殺されるか……どちらでもいいではありませんか」
唐周さんは、そう言って口元を歪ませる。
「どちらが勝ったとしても……この連合が終わった後、正当性をもって勝者を本初様が討てばいいのですから」
「……え?」
どちらが勝っても……?
「劉虞が勝てば、真名を預け合った親友の仇を討つとして。公孫賛が勝てば、漢王朝の宗室を殺した大罪人として……それぞれ断罪すればよいのです。そのためにも……洛陽にいる献帝陛下をお救いせねばなりませんが」
「……つまり、献帝陛下にそういう指示をさせ、大義名分を作れとおっしゃるの?」
「はい。そのためにも董卓は殺さねばなりません。そして献帝陛下を保護し、傀儡となされば……後は本初様が、この漢全土を手中におさむることが出来るでしょう」
「………………」
わたくしが……わたくしが、漢を治める。
つまり、わたくしが次代の皇帝になる、ということ!
「……ふ、うふふ……お〜ほっほっほ! なるほど、さすがですわ、唐周さん! 貴方はまさしくわたくしの軍師ですわね! いいでしょう。この袁・本・初が漢を掌握するため、その力を存分に発揮なさい!」
「はは! お任せ下さい。必ずや、本初様を皇帝にしてご覧に入れましょう」
「おほほ! お〜ほっほっほ!」
わたくしが、こ・う・て・い!
お〜ほっほっほっほっほ!
―― 唐周 side ――
ふう……どうやら何とかなったようだな。
目の前で馬鹿の一つ覚えの高笑いをしている愚か者を見て、俺は安堵する。
お前が皇帝?
どこまで愚物なんだ、この女。
まあいいさ……皇帝にしてやろうじゃないか。
そして、その皇帝を俺が裏から操ってやる。
せいぜい残虐帝にして、全部ひっかぶせた後で、俺が誅殺してすり替われば問題ない。
そのためにも、多数派工作もしなけりゃなら
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