反董卓の章
第14話 「所詮は私も……道化なのでしょうね」
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をあなたに預けよう……受け取ってもらえるか?」
「あ、あら、真名まで……こ、こほん。では、我が真名である麗羽もお受け取りくださいまし。これが私の謝意ですわ」
「あ、ありがとう……麗羽」
……ほんとに茶番、いえ、滑稽なこと。
公孫賛……ここまで愚かだとは。
善人も過ぎると馬鹿を見るとは言うけれど……
「すまん。では私は自領に戻る。皆、あとはまかせた!」
そう言って、公孫賛は颯爽と天幕から出て行った。
あとに残るのは、高笑いする麗羽と、それを半眼で見る私達。
「……麗羽。今の話、本当なの?」
「ギクッ!? な、なんの話ですの? わ、わたくしが嘘偽りで真名を預けるとでも!?」
「……まあ、そういうことにしておくわね」
じゃないと真名が軽すぎることを認めるようで……
「お、お〜ほっほっほ! と、とりあえず、伯珪さ……もとい、白蓮さんは元々戦力としてみていなかったから良いとして」
……あなたね。
「次の虎牢関を抜ければ洛陽! そこには漢を壟断した董卓がいますのよ! 皆さんはより一層奮起してくださいましね!」
「……だが、総大将たる袁紹殿が、告発文を証明した劉虞を切り捨てたのではな。大義名分はどうなるのかな?」
周喩が呟いた言葉に、ギシッと固まる麗羽。
やれやれ……あなた、本気で勢いとハッタリだけで生きているのではなくて?
「それは先程言葉にしたとおりです、孫策軍の軍師殿」
それに答えたのはさっきの詐欺師。
いえ……文官だったわね。
「告発文は本物。それを否定しようとした劉虞様は、無理やりな裏取引で告発文を偽物にしようとしただけです。何も問題はありますまい」
「……正気で言っているのかな?」
「もちろんですとも。なにしろそれを認めずに連合を『脱退』した公孫賛が、劉虞様につっかかるだけですので……」
……この男、詐欺師であり、悪党なのね。
よくもまあ、ぬけぬけと……
「へえ……それを今から公孫賛に教えたらどうなるかしらね?」
「さて……それをして貴女様に都合が良いのでしたらどうぞ、曹孟徳殿。ですが、すでに董卓軍との戦端は開かれており、水関まで陥としました。いまさら何を言おうと董卓軍の敵である我らです。仲間割れをしても、敵に利するだけで何の益もありません。名にし負う曹孟徳殿でしたら、それぐらいはおわかりでしょう?」
「……文官ごときが、よく囀る」
私が少し覇気を込めて男を睨む。
だが、その男は薄く笑ったまま麗羽の後ろに下がった。
「な、なんですの?」
私の視線に込めた覇気をもろに食らった麗羽が、少し呻く。
……まったく、小狡い小悪党ってのは、たちが悪いわ。
「……ふん。まあいいわ。どう
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