反董卓の章
第14話 「所詮は私も……道化なのでしょうね」
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線に出たがったとしても、本初様はそれを止めるつもりでした。なぜなら……この陣にも、劉虞の手の者がいる可能性もあったからです。それゆえ、前線に立たせることだけは避けたかった。戦場での暗殺だけは避けたかったからです」
……モノは言いようね。
麗羽は、公孫賛をお飾りにしか見ていなかった。
戦力だなんてことは、これっぽっちも考えていなかったはず。
でも、確かに議を抜けだしていたことも咎めることはなかった。
それを優遇ととるか、それとも歯牙にもかけていなかったのかの違いはあるでしょうけど。
「そして貴方は劉虞の本性を知った。事ここに至り、貴方に悟らせるために『わざと』漏らした言葉……感謝こそすれ、非難する道理はないと思いますが?」
「……わざ、と?」
「ええ。でなければただの徴兵といえばいいだけのこと。わざわざ強制徴兵などと言いますまい」
……ただ、麗羽が馬鹿だっただけでしょ。
「本初様……貴方様が公孫伯珪殿に遠慮し、自身を悪く見せるのもほどほどになさいませ。無理に恨みを買うこともないのですから」
「え? あ? え?」
「自らの正当性を質に取られたからとはいえ、公孫伯珪殿を謀るのに参加してしまった自戒は、我々家臣一同、皆が共有するものです。ですが、我々はあなたの臣なのです。貴方が偽りに貶められるのを黙ってみてはおられません」
……本当かしら。
麗羽を見ている限り、おもいっきり誤魔化そうとしているのが見て取れるのだけど。
まあ、公孫賛は私ほど麗羽を知らないものね。
「本初、お前……」
「え? あ……えと、そ、そうです……わね。いえ……」
見ようによっては、麗羽の仕草は自戒がバレてしまった心苦しさによるものにも見える。
けど……あれ、私から見れば状況についていけず、どういう対応取ればいいか迷っているだけに見えるのだけど。
「お、お〜ほっほっほ! ば、バレてしまっては仕方ありませんわね! いいですわ、伯珪さん。連合を抜け、劉虞と決着をつけていらっしゃい! どうせ劉虞のことですから、貴方が来ればわたくしの根も葉もない話をして罵倒するに決まっていますわ! け・れ・ど・も! 貴方でしたどちらを信じるか……今ならわかると信じておりますわ!」
「本初……」
あらあら……とんだ茶番ですこと。
こんなのも見抜けないから、公孫賛は私の覇道に華を添えることもできない、路傍の石だということ。
もはや私には、何も言う気はなかった。
「すまない、本初……礼を言う。お前も辛かったんだな……」
「かまいませんわ。わたくしこそ、貴方を謀ってしまったこと……許して下さいましね」
「本初……いや、袁本初殿。この礼は我が真名を預けることで貴女に対する報いとしたい。我が真名、白蓮
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