反董卓の章
第14話 「所詮は私も……道化なのでしょうね」
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ゃならないんだ!」
「一体どうしたというのですの? 劉虞様が一体何を……」
「あいつは! またあいつは、民を、私を騙したんだ!」
公孫賛が悔しげに拳を握る。
劉虞が公孫賛を騙した……?
……ああ。
「そういえば、水関に出発する直前に変な噂は耳にしたわね。劉虞が兵を集めているって」
「……!!」
私の言葉に、公孫賛は驚いた目で私を見て。
麗羽は『余計なことを!』と眼尻を上げて私を見る。
やはり貴方も知っていたのね、麗羽。
「私はてっきり、公孫賛に代理をさせるのではなく、自らが連合に参加するつもりだと思ったのだけど? そういう話は代理の公孫賛にも、連合の『総大将』である麗羽にも打診はなかったのかしら?」
少々意地が悪いのかもしれないとは思いつつ。
抑えきれない失笑混じりで口にした私の言葉に、公孫賛と麗羽の反応は先程と同じだった。
「劉虞が……兵を集めている、だって……?」
「っ! 華琳さん!」
あら、麗羽。
何をそんなに慌てているのかしら?
私は噂という『世間話』をしているだけよ?
それなのにそんなに焦るなんて……
なにか『疚しい事』でもあるのかしら?
「……っ、んんっ。確かにそういう噂はわたくしも耳にしましたわね。でも、あくまで噂、ではなくて?」
「ええ、そうね。だから別に私も気にしていなかったのだけど? 連合の発起人であり、劉虞本人から段珪の告発文を真実と認めさせた麗羽ですものね。当然、後詰という意味での事だと思っていたのだけど?」
……ホント、我ながら意地の悪い質問ね。
「そ、それ、は…………え、ええ。も、もちろんそうですわよ、お〜ほっほっほっほ! わ、わたくしが劉虞様にお願いして、平原で強制徴兵させていましたのよ。そ、それが噂になっただけですわ」
「…………………………」
麗羽が言葉の内容とは裏腹に、眼をキョドらせて言うものだからまるで信憑性がない。
というか、あなたね。
語るに落ちているわよ、それ。
「だ、だからそんなに心配するものではなくってよ、伯珪さん。貴方は劉虞様が来るまで、その代理として――」
「……そう、か。あいつはそこまで腐っていたのか……」
麗羽の言葉をまるで聞いている節もなく。
公孫賛は、一人怒りに耐えるように拳を握った。
「まさかと思っていた。信じたくはなかった。だが……やはりそうなんだな、本初」
「……え?」
麗羽はきょとんとして公孫賛を見ている。
馬鹿ね、麗羽……
公孫賛は確かに天下無双でも、賢侯でもないわ。
でもね……その身一つで北平をまとめあげ、北の烏桓と戦い、白馬長史とまで言われた人物なのよ?
あまり侮るものではない
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