反董卓の章
第14話 「所詮は私も……道化なのでしょうね」
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ちらでもいいですわ。わたくしも無理にそうしろとは言いませんし」
じゃあ何故言った?
……やはり、誰かに諫言されているのか?
「では呂布に対しては無理に対応せず、関を陥とすことに集中してくださいましね。対応はそれぞれに一任しますわ」
「袁紹殿……儂は後曲で茶を啜っておれと?」
「劉表殿……いえ、貴方はいざというときの予備兵力ですわ。関が落とせそうな時はわたくしと一緒に総攻撃していただきます。後は前線の負傷兵の後送や、補給などをお手伝いしていただけます?」
「……ふむ。承知した。だが、万一の時は儂にも出陣を命じて下されよ? 前線が崩壊してからでは力の振るい甲斐もないのでな」
ジジイ……あんたも大言吐くな。
戦闘苦手といっていただろうに……ハッタリにも程があるぞ。
ほらみろ……曹操も周喩も睨んでんじゃねぇか。
「え、ええ……心得ましたわ。では陣を組み替えた後、出立と致します。解散!」
袁紹の言葉に、諸侯が共に一礼する。
そうして俺と桃香は、劉表とともに天幕を出た。
「……小僧、お主はどう思う?」
劉表が突然聞いてくる。
はて……どれのことかな?
「……さて。いろいろ怪しいのは確かですが……まず白蓮、公孫賛のことはある程度事実でしょう。全部が真実ではないでしょうが」
「……ふむ。劉虞、か……」
どうにも胡散臭くは思う。
劉虞が非道を行っていたこと。
そして、今回白蓮を裏切っていたことは本当だと思う。
だが……なにか、作為的に過ぎる印象があった。
(また于吉たちが蠢動したのかもしれないが……)
どちらにしても白蓮にとっては辛い戦いになる。
少しでも援護ができればいいのだが……
「白蓮ちゃんも酷いよね。私達に相談ぐらいしたってよかったのに……」
「愚痴るなよ、桃香。以前、あれだけ心配した上、会ったばかりに泣きついたんだぞ? 人のいい白蓮なら迷惑を掛けたくないから、あえて声を掛けなかったのだろうし」
まあ、慌てて忘れていたなんて可能性もあるがな。
「そっか……そうだね。董卓さんのことも放ってはおけないしね」
おいおい、桃香……
劉表の爺さんがいるんだから、あんまり迂闊なことを言うなよ?
「あとは……陣替えについては予想通りですね。俺達が中曲になったのは少々予定外ですけど……」
「お主の見立てでは、袁紹が前に出るかもと言っておったしの」
「ええ……この状況でも前に出ないとは。袁紹の性格を見誤っていたのかもしれませんね」
あれだけの武勲をあげたら、自分が目立つためにも前に出ると思ったのだが……
存外、慎重なのかもしれない。
「臆病、とも思えませんので……背後に誰かいますね。軍師のよう
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