反董卓の章
第14話 「所詮は私も……道化なのでしょうね」
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布がいるそうですわ」
「呂布……あの飛将軍か」
周喩の言葉に、皆が緊張した面持ちになる。
この世界にもやはりいたのか……いや、当然か。
史実では孫堅にこっぴどくやられたとも言われているが……その孫堅もいないしな。
後に董卓を殺したのも呂布だ。
だが、ここは作られた世界……呂布が変節していてもおかしくはない。
「ええ……ですから、もし呂布が現れた場合……その対応は天の御遣いさん、貴方にお願いしたいのですけれど?」
「……どういう意味で?」
呂布と戦え?
無理を言う……というか、俺は武将としての力なんて見せていないはずだぞ?
何故俺を指名する……?
「わたくしの細作の話では、随分とお強いと聞いていたのですけれど。違いまして?」
「……どういう情報かは知りませぬが。私はあくまで軍師です。武将の真似事は出来ても、一騎討ちをするつもりもありません。ましてや相手はあの飛将軍……正直、私に死ねとおっしゃいますか?」
「あら、そうですの? 貴方なら呂布にも勝てるのではという話でしたのに……」
……誰だ、そんなでたらめ言う奴は。
「あら、貴方なら案外勝てるのではなくて?」
……曹操。
もしかしてお前が?
「ふむ……私も見てみたい気はするな。まあ、勝てるとまでは言わないが……いい勝負をするのではないか?」
……周喩さん、あんたもか。
「えっと……私はその呂布さん、って人を知らないんですけど。そんなに強いんですか?」
桃香……頼むから墓穴を掘る様なことを言わないでくれ。
あの呂布だぞ?
鈴々や愛紗どころか、星にだって勝てない俺に、どうしろと……
「うむ、強い。儂は何度か会ったことがある……丁原殿に紹介されてな。演舞では大して力を入れてもいないのに、大の男三十人を方天画戟の一撃で吹き飛ばしておった。あの力、並々ならぬものがある」
劉表のジジイがそう言って髭を撫でる。
方天画戟……?
あれって随分後で作られたはずだが……ああ、三国志に準じているのか。
変なところで創作と史実が混じるな、この世界。
「そ、そんなにすごい人なんですか!? そ、それはさすがに……」
「ああ。俺も一人でやる気はないよ。悪いが出てきたとしても一騎討ちは御免こうむる。うちの武将にも一人で相対はしないように伝えよう」
「あらあら……随分と臆病ですのね。これは見込み違いかしら」
袁紹は挑発するように言ってくるが、俺は肩をすくめる。
「どんな見込まれをしたかはわかりませぬが、私は軍師です。相手を罠に嵌めるならともかく、勝てない相手に一騎討ちする気はありませんよ。それを恥とも思いません。命は一つですから」
「あら、そうですの……まあど
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