反董卓の章
第14話 「所詮は私も……道化なのでしょうね」
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ながらも民のためにその身を削る人となりを知っているが故に。
それ故に、今度こそ白蓮は劉虞を許さないだろう。
平原の民だけでなく、自分の守る民すら危ういこの状況。
ここで劉虞を許すとなれば、白蓮の為政者としての評判は地に落ちる。
だからこそ苛烈に、しかも容赦なく劉虞を責めるに違いない。
だが、それは白蓮が漢王朝の宗室を誅するということ。
俺達が出来ることがあるならば……
(董卓を助け出し、それを献帝に伝えて白蓮の助命と寛大な処置を引き出すしかないか?)
董卓を利用することになる……桃香はどう思うだろうか?
いや、他にも手はあるかもしれない。
急いで策を練らなきゃならないだろうが……
「ともあれ、白蓮さんの騎馬隊は関への攻撃にはあまり意味を持ちませんわ。戦力としてはあくまで予備だったですから、最初の指針に変更はありませんことよ」
「……了解した」
「うむ、儂もじゃ」
俺の言葉に、隣にいた劉表も同意する。
桃香は俺と劉表を見て、コクリと頷く。
「では白蓮さんの件は良いとして……次の議題ですわ」
というか袁紹……いつから白蓮の真名を呼ぶようになったんだ?
確か許昌にいた頃は、字で呼び合っていたはずだが……
「次の虎牢関ですけれど、劉備さんは中曲に、劉表殿は後曲下がっていただきますわ」
「………………」
やはり、か。
そう言ってくると予想していたので、俺は劉表へ目配せをする。
劉表は俺を見ながら、目礼で答えた。
「一応、理由を聞いてもいいかな?」
「ええ……まあ、あなた方は水関を単独で陥としたのですもの。これで虎牢関まで先曲を任せるのは少々被害が大きいでしょう? ですので、わたくしからの温情ととってくださいまし」
温情、ねえ……
「先曲には美羽さんとその配下の孫策さんにお願いしますわ。よろしいですわね?」
「へ? 妾がなんで先陣に……」
「はい〜お受けいたしますわ〜」
「な、七乃っ!?」
袁術自身は知らなかったのか?
その配下はにこやかに受け取っているが……
「こちらも了承した……まあ、相手は虎牢関。そうやすやすとは陥とせはすまい。被害が大きくなった時は?」
「ええ、わかっておりますわ。中陣にいる華琳さん……そして劉備さんと交代で攻めていただきます。波状攻撃、といえばよろしいのかしら?」
「ふむ……承知した。兵の補充は袁紹殿に?」
「そうですわね……よろしいでしょう。総力で当たらなければ突破はできませんでしょうし」
……随分とまともだな。
『華麗に進軍』なんて言っていた袁紹とは思えない。
誰かの入れ知恵か……?
「それと、わたくしの細作の報告では、虎牢関には呂
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