反董卓の章
第14話 「所詮は私も……道化なのでしょうね」
[2/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
けませんかねぇ……言ったら本気で殺されそうですが」
こんな非道なことを、あの男が許すとも思えない。
ともあれ、董卓の方は予定通りに行きそうですし……
まあ、北郷盾二のことですから心配はしていませんがね。
問題は、そろそろ貂蝉辺りが動き始めそうなことですか。
「まったく……こちらを気にしているのか、いつになったら北郷一刀を目覚めさせる気ですかねぇ。あの男が目覚めないと、こちらの仕掛けも動き出さないのですが……」
………………
何故でしょうかね。
そのほうがいいと、どこかで考えている私がいる気がします。
……はあ。
「本当に……この世界の私は一体どうしたというのでしょうか。数多ある外史の中で、私だけがこんな状態になっているのでしょうか?」
この世界はイレギュラー。
なればこそ、北郷一刀を『私達が』殺せる可能性がある世界。
ただそれだけと思っていたのですが……
「……その同存在に惹かれてしまうとは。私という者は……」
世界の歪みが産んだ異質な存在。
私はそれを外史の一つに呼び寄せ、細工を仕込ませた、ただの傀儡。
そのはずだったのに。
「愛着……ですかね? いえ……どちらかというと、執着、ですか。惜しいと思ってしまったのが……ああ、いやいや」
本当に、私は何を考えているのでしょうか。
左慈が心配するのもわかります。
どうやらエラーは世界だけでなく、私にも起こっているのですかね。
「……それでも、目的だけは遂げねばなりませんね。それだけは……それだけは変わらないのですから」
数多ある世界の同存在の私よ。
私一人がエラーなのか、それとも他にも同じようになってしまった同存在の私がいるのでしょうか。
いつかは聞いてみたいですね……
そんなこと、起こりうるはずもないでしょうが。
「所詮は私も……道化なのでしょうね」
それでも。
私はここに存在している。
存在している以上は――目的を果たさねばならない。
『于吉』という、外史世界において『悪役』を演じる役割を――
―― 曹操 side 水関 ――
「だから頼む! 私を帰らせてくれ!」
「出来るとお思いですの!? 貴方は劉虞様の代理ですのよ、伯珪さん!」
あの天の御遣いが水関を落とした翌日の夜。
袁紹の大天幕の中で一騒動が起こっていた。
本来、私達が集められた意図は、水関にあった糧食の配分の伝達であったはず。
だが、その席で突如後曲にいる公孫賛が、自領地に帰ると言い出した。
一体何があったのか……
「その劉虞が問題なんだ! だから私は自分の眼で確かめなき
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ