反董卓の章
第14話 「所詮は私も……道化なのでしょうね」
[1/14]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
―― 于吉 side ??? ――
「……ふう。とりあえずは……うまくいきましたかね?」
傀儡のアストラルパターンの構築には、いつもながら手間がかかります。
さながら機械文明のAIのように、こうきたらこう、という命令を予め刷り込ませておかねばならない。
私がよく使う、白装束の人形ならここまでのことはしない。
もともと単純作業しかできないからこその傀儡――人形なのですから。
だが、生きている人間を傀儡にする法は、いわば擬似人格を本来の人格の上にかぶせるようなものです。
だから催眠暗示と別人格を載せるだけとはいえ、その行動指針のプロットも予め組んでおかねばならない。
そこまでしても、人の思考を完全には操ることが出来ない。
だから私は、騙し、唆し、トラウマを植え付けて意図した行動を取らせたり、香薬などを使って催眠状態にしたりと、手間ひまをかけて将を操ったこともある。
だが、今回の劉虞の件はうまくいかなかった。
何しろ元が元。
まるで善人なのだ。
思考を誘導しようとしても、必ず二の足を踏む。
虐殺を指示するまでは催眠状態で操ったが、一度催眠状態を解いた途端、まさかそれを悔いて首を吊るとは思わなかった。
既のところで命だけは取り戻したが……脳が損傷してしまっている。
このままでは植物状態な為、こうして傀儡としての調整に追われていた。
「まいりましたねぇ……木偶人形と違い、植物状態の人間をさも生きているように操るのはなんと難しいのでしょうか」
どうしてもカクカクとした動きになってしまう。
すぐに旧臣たちにバレたため、口封じに処刑しましたが。
とりあえず人に指示を出すのは、椅子に座らせればなんとかなりましたけど……
平行して、劉虞が公孫賛を裏切っているように見せねばなりません。
関係のない商人たちの捕縛までは指示させることはできましたが……
人前に出すのはやはり厳しいですか。
「今回の件で激怒した公孫賛が攻めてくるまでは……なんとか持たせないといけませんねぇ」
どの道死んだも同然ですが、公孫賛の目の前に死体を出さないといけません。
まあ、首だけでもいいので、適当な傀儡に首を切らせておけばいいとして……
「これで袁紹との確執のきっかけにはなるわけですね。公孫賛には不幸でしょうが。さて……まだしばらくは余裕が有るでしょうから、こっちはあとでまた詰めるとして、と」
次は公孫賛を英雄にするためにも、民の公孫賛への人気をどうしますか……
「やれやれ。これはまた思った以上に難儀なことです。やっぱり北郷盾二には、なんらかのご褒美をもらわなければい
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ