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樹界の王
7話 アルラウネ
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アルラウネの巨大な樹木から養分を奪い、弱らせているようだった。
 そして、寄生植物が存在するその上方。樹冠に果実が見えた。膨大な数の果実。
「他の植物に養分を奪われているようだけど、排除してもいいかな?」
 大樹としてアルラウネの中で本体に属する、あるいは何らかの擬態装置としてセンサーが豊富であろうと思われる女に向かって問いかけると、女は弱々しい肯定の感情を放った。
 バックパックからナイフを取り出し、周囲を覆うシメコロシノキの根を切っていく。樹があまりにも大きい為に、その周囲の長さは三十メートルは超えているだろう。下手をすれば現存で確認されている記録を超え、四十メートルはあるかもしれない。その周囲に絡みつくシメコロシノキの大きさも相当なものとなり、その全てを断ち切っていくのは骨が折れる。流れる汗を拭いながら、一つ一つの根を確実に切り取っていく。
 全て取り除くまで長い時間がかかりそうだった。
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