暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
ナツ、エサになる
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
・・桜色の髪が生えていた。

「こ、これが暗殺ギルドの実力・・・」











「賛成票8、反対票1。以上により、楽園の塔へのエーテリオン攻撃を認可するっス」

クロノの言葉に、反対票を入れたヤジマは溜息をついて頭を振った。

「ヤジマさん・・・納得いかないかもしれんが、ゼレフを蘇らす訳にはいかないのは解りますよネ?」

ジークレインが声を掛けると、ヤジマはジークレインに背を向ける。

「ワスはもう知らんよ・・・責任はちゃんととれるんだろーね?」
「もちろん・・・全ての責任は俺が・・・」

ヤジマの言葉にジークレインが完全に答える前に、ヤジマは振り返った。
くわっ、と、完全なる怒りを顔に映して。

「ワスは言ってるのは命の責任だ!これから失われる命を背負って生きるんだぞ!()ーク!」

その怒りの表情に、ジークレインは全く動じない。

「答えはじきに出ますよ」

そんな2人の近くで、エーテリオン射出の準備が進んでいく。
「1時間後にエーテリオンを射出する!準備にかかれ!」という声を聞きながら、クロノがジークレインに近づいた。

「ジーク」
「・・・クロノか」

同年代のクロノに、少し口元を緩める。
クロノは変わらない笑みを浮かべたまま、すれ違いざまに誰にも聞こえない声で囁いた。









「お前に、よろしくな」









「!?」

お前によろしく。
意味の解らない言葉にジークレインは目を見開き、振り返る。
肘を曲げたまま右手を挙げてヒラヒラと振り、クロノは誰もいない廊下へと歩いていった。

「・・・自分達のやってる事にも気づかねぇたぁ、随分バカな老人共だ」

誰もいない廊下で、小さい声で独り言を呟く。

「ま・・・ジークレインやウルティアも、バカだな」

ニィ、と。
悪人、とまではいかないが、歪んだ笑みを浮かべる。

「自分達のやってる事が、全部無駄だと・・・気づかねぇなんてよ」








「エルザ・・・1番いい駒の片割れを失っちまったなァ」

チェス盤の上に、倒れるドラゴンの駒。

「さぁ・・・どうする?時間が無いぞ。間もなく光が落ちてくる」

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ