ナツ、エサになる
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・・桜色の髪が生えていた。
「こ、これが暗殺ギルドの実力・・・」
「賛成票8、反対票1。以上により、楽園の塔へのエーテリオン攻撃を認可するっス」
クロノの言葉に、反対票を入れたヤジマは溜息をついて頭を振った。
「ヤジマさん・・・納得いかないかもしれんが、ゼレフを蘇らす訳にはいかないのは解りますよネ?」
ジークレインが声を掛けると、ヤジマはジークレインに背を向ける。
「ワスはもう知らんよ・・・責任はちゃんととれるんだろーね?」
「もちろん・・・全ての責任は俺が・・・」
ヤジマの言葉にジークレインが完全に答える前に、ヤジマは振り返った。
くわっ、と、完全なる怒りを顔に映して。
「ワスは言ってるのは命の責任だ!これから失われる命を背負って生きるんだぞ!ジーク!」
その怒りの表情に、ジークレインは全く動じない。
「答えはじきに出ますよ」
そんな2人の近くで、エーテリオン射出の準備が進んでいく。
「1時間後にエーテリオンを射出する!準備にかかれ!」という声を聞きながら、クロノがジークレインに近づいた。
「ジーク」
「・・・クロノか」
同年代のクロノに、少し口元を緩める。
クロノは変わらない笑みを浮かべたまま、すれ違いざまに誰にも聞こえない声で囁いた。
「お前に、よろしくな」
「!?」
お前によろしく。
意味の解らない言葉にジークレインは目を見開き、振り返る。
肘を曲げたまま右手を挙げてヒラヒラと振り、クロノは誰もいない廊下へと歩いていった。
「・・・自分達のやってる事にも気づかねぇたぁ、随分バカな老人共だ」
誰もいない廊下で、小さい声で独り言を呟く。
「ま・・・ジークレインやウルティアも、バカだな」
ニィ、と。
悪人、とまではいかないが、歪んだ笑みを浮かべる。
「自分達のやってる事が、全部無駄だと・・・気づかねぇなんてよ」
「エルザ・・・1番いい駒の片割れを失っちまったなァ」
チェス盤の上に、倒れるドラゴンの駒。
「さぁ・・・どうする?時間が無いぞ。間もなく光が落ちてくる」
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