ナツ、エサになる
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としての実力はかなりのモノ、影ではティアも認める魔導士であるナツだが―――
「マズイ!あれは『乗り物』だ!」
「!?」
唯一―――唯一と言っても問題ないであろう―――弱点があった。
「ナツは乗り物に極端に弱いのよ!見ているこっちが驚くくらいにね!」
「何だと!?」
乗り物酔い。
列車・船・魔導四輪・・・この世に存在する乗り物全てが、ナツの弱点だった。
そして運の悪い事に・・・このロケットも、ナツの弱点の対象、乗り物だったのである。
「弱った相手を確実に仕留める!これぞハンティング!」
「・・・弱い者いじめの間違いじゃない?」
ティアの呟く声は無視された。
それと同時に、目をグルグルに回したナツが、パッとアームから落とされる。
「今だ!」
それを見た梟は地を蹴り、勢いよく走り――――――
「キャプチャーホーホホウ!」
くわぁ、と・・・口を大きく開けた。
「!」
「な!」
「はぁ!?」
ハッピー、シモン、ティアは驚く。
梟が大きく口を開いた事に、ではない。
上手くすれば、いや、下手をすれば、いや、確実に、その口には―――――
「!?」
ロケットのせいで酔った、ナツが落ちてくるのだから。
「ナツ!」
珍しく無表情を崩し、少し目を見開いた状態でティアが叫ぶ。
「ちょっ、オイ・・・おおお・・・」
ナツの声が遠くなっていく。
ティア達の意識が遠のいているとか、そういう事ではない。
んごんごと――――――ナツが梟に『呑み込まれていっている』のだ。
「何するんだオマエーーーーー!」
ハッピーが叫ぶと同時に、ごくっとナツの姿は見えなくなる。
梟に、完全に呑み込まれていた。
「丸呑み・・・!?コイツ・・・」
「ウソでしょ・・・ありえないわ・・・」
シモンが驚愕の声を上げ、あのティアでさえ、疑い深い表情で梟を見ている。
・・・まぁ、ティアが誰かを『疑う』のは、日常茶飯事なのだが。
「私は捕食した者の魔力を消化する」
つまり、ナツを捕食する事でナツの魔力を消化し、物を食べた時に栄養を手に入れるとの同じように、ナツの魔力を手に入れようとしているのだ。
「ナツを返せーーーー!」
相棒を呑み込まれて黙っていられる訳が無い。
目に涙を浮かべながら、ハッピーは凄まじい勢いで梟に向かっていく。
梟は振り返ると―――――
「ファイアホーホホウ!」
「ぎゃっ!」
拳から、紅蓮の炎を放った。
「火?オイ!大丈夫か!?」
「消化・・・ナツの魔力を取り込んだんだわ!」
ティアが梟を睨みつける。
「ホホウ」
そう言って戦闘態勢を取る梟には・
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