Strike while the iron is hot(鉄は熱いうちに打て)
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ハッハッハッ……。
あの銀行強盗事件の次の日、俺は日課である早朝のジョギングをしていた。いつもこの時間は人通りが少なく俺だけのジョギングコースなのだが、今日は俺以外にもこの道を走っている人間がいた。
「「ハッハッハッ……」」
後ろを見るとそこにはイワンとエドワードが俺の後ろについてジョギングをしている姿があった。特にイワンは真剣そのものな表情をしており、それだけで昨日の影響が強かったことが分かる。
昨日、サイタマが銀行強盗から人質を解放した後、銀行から強盗の仲間が数名出てきたのだ。新たに現れた強盗達はサイタマを排除しようとしたが、サイタマは難なく強盗達をワンパンで「殴り飛ばして」強盗事件は呆気なく解決した。
そして帰ろうとしたサイタマが野次馬に「お前は何者なんだ? ネクストなのか?」と質問されて「自分は趣味でヒーローをやっている者でネクストじゃない」と答えると、それを聞いていたイワンは目から鱗が落ちたような顔をしたのだ。確かにネクストじゃなくて、努力であれだけの実力を身につけた人間が言ったら説得力は限りないだろう。
……まあ、サイタマは少し特殊なのだがな。
とにかくその後イワン色々と考えたらしく、俺のトレーニングに付き合いたいと言い出したのだ。それで今に至る。
「お、おい、イワン……。少し、休まないか?」
「駄目だよエドワード! 僕達は強くならないといけないんだ!」
イワンと一緒にジョギングに参加したエドワードがバテ気味に言うと、イワンが強い口調で却下する。こんな強気のイワン初めて見たな。というかいつもと立ち位置が逆じゃないか?
ジョギングが終わり、ヒーローアカデミーに行ってもイワンの勢いは止まらなかった。
いつもは消極的であまり目に見える行動を見せなかったイワンが積極的に授業や訓練に取り組む姿は、俺だけでなく他の生徒や先生も驚いた顔をしていた。
「一五八……一五九……一六〇……」
授業が終わってもイワンは一人、トレーニングルームで自主トレーニングをしていた。……そろそろ体を休めないと、逆に体を壊さないか?
「カレリン先輩、凄い気迫ですね?」
いつの間にかトレーニングルームに来ていた一人の生徒がトレーニングに励むイワンを見て呟く。……バーナビーか。俺は生徒の名前を呼んだ。
バーナビー・ブルックスJr。
「TIGER&BUNNY」の主人公の一人であり、このヒーローアカデミーでは俺達の一つ下の後輩だ。
「竜蔵寺先輩。カレリン先輩はどうしたんですか? まるで人が変わったようにトレーニングをしていますけど?」
何て言うかその……能力が戦闘向きじゃなくてもヒーローになれることに気づいたってところかな?
「はい?
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