第十話「決意/RESOLUTION」
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うのに……」
「プレシアァー!!」
ゼロは先ほどの傷も忘れて素早い速さでプレシアへ向けてZソードを向けるが、突如彼に電撃が襲った。
「ぐぅ!?」
倒れるゼロの後ろには、シグマが居た。
「お怪我は御座いませんか?プレシア副主任……」
「ええ、どこにも?はやくその毛皮らしい者を連れて行ってください?」
「承知しました……」
シグマはゼロへ歩み寄り、彼を軽々と担ぎあげたゼロは弱った声でアルフの名を呟いた。
「アルフ……逃げろ!」
「……!」
そんなゼロの姿を、横たわっていたアルフが見つめた。深い怪我を負っているものの、虫の息で目を覚ました。
「ゼロ……!」
アルフは傷口にも関わらず起き上がり、足元に魔法陣を展開した。
「!?」
プレシアが気付いたころには、アルフとゼロは魔法陣に飲まれて、この時の庭園を抜け出していた。しかし、プレシアはそれを鼻で笑った。
「捕まえますか?」
シグマが問うが、
「……放っておきなさい?いずれにせよ、あの状態で高自空間の中をさまよい続ければいずれ力尽きて死ぬ」
異空間でゼロを抱えるフェイトは傷口を抑えながら、別の異世界を探した。
「待っていろ!フェイト、ゼロ、必ず!」
一方のプレシアは横たわるフェイトの元へ向かった。フェイトにはアルフの来ていたマントがかけられていた。
「フェイト……?まだ九つだけではたりないわ?最低でもあと五つ、いいえ?それ以上必要なのよ」
「はい……ん?これは、アルフの……」
フェイトはアルフのマントを目にするが、
「ああ、あの使い魔なら怖くて逃げだしたわ?もういやだって……使い魔ならお母さんが用意してあげる。信じて?あなたの唯一の味方はお母さんだけよ?」
「はい……あ、ゼロは?」
「ゼロ……?ああ、あの子ね?あの子、お母さんに襲いかかって来たの」
「……ゼロが!?」
そんなはずないと、フェイトは信じられなかった。
「ワイリー主任の部下が助けてくれたけど……フェイト、あの子は危険だわ?」
「そんな……ゼロがそんなことするわけ……」
「目を覚ましなさい、言ったでしょ?あなたの本当の味方はお母さんただ一人だけだと?ゼロはあなたを利用しているだけ、あなたと親しくなった後、お母さんを殺そうとしたのよ?」
「そ、そんな……!?」
フェイトはそう涙ぐみながらこの場へうずくまっていた。彼女はゼロに対し、半信半疑であった……
*
そのころ、僕らは久しぶりの家へ帰って来た。一緒に来たリンディ提督や……シグナス司令は桃子さんこと母さんと共にお茶を楽しみながら会話をしている。
(す、凄いごまかし様だ……真っ赤なウソというかなんというか……二人とも凄く母さんと溶け込んでいる)
「……でして、お宅のお子さんたちは実に優秀です。まったく、うちの部下にも見習わせたいくらい
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