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久遠の神話
第六十話 嵐の前その六
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「怪物なり剣士は」
『いえ、今日はこれで』
「そうか、いないか」
「剣士も貴方以外には誰も外に出ていません』
「下らんな、しかし相手がいないならだ」
『帰られますか?』
「剣士の戦いは終わりだ」
 実際に剣を収める、そして言うことは。
「ストリートファイトに行く」
『街の喧嘩ですか』
「そう言うかも知れないな」
 加藤もその言葉を否定しない。
「だが名前はどうでもいい」
『戦えればですか』
「俺はそれでいい」
 戦い、それ事態を楽しんでいるからこその言葉だった。
「剣士の戦いでなくともな」
『だから次はですか』
「街の裏手に行く」
 そのストリートファイトが行われる場所にだというのだ。
「そこで楽しんで来る」
『警察は貴方を警戒していますね』
「傷害罪だな」
『はい、そのことで』
 高橋がそうだ、彼が加藤を警戒しているのは加藤にこれまでのストリートファイト等で何度も傷害罪の疑いがあるからだ。
『そのことは』
「あの訴えは向こうが取り下げた」
 彼が負かした相手がだというのだ。
「だから問題はなくなった」
『そうですか』
「負けた奴が腹いせでしたことだ」
 それで訴えられそうになったというのだ、加藤は素っ気なく言う。
「時々ある、俺の世界ではな」
『それで捕まるということは』
「叩きのめしたのは事実だ」
 傷害罪になるかと言われるとなるというのだ。
「それはな。だがそうした奴はそれから二度とストリートファイトが出来なくなる」
『その世界でのルールですか』
「ストリートファイトは法律の外の世界のことだ、そこで法律に訴えて仕返しをしようとすればな」
 ストリートファイト自体が成り立たなくなる、だからだというのだ。
「そんな奴は二度と戦いに参加出来ない」
『ではその人は』
「止められた」
 それで加藤への訴えを取り下げたというのだ。
「ストリートファイトの元締めからな」
『そうした人もおられるのですね』
「どうした立場の人かは知らない」
 こうした法律の世界にある人間が社会的にまともな人間であるということは希だ、それでこのストリートファイトもなのだ。
「しかしその元締めに言われてだ」
『貴方への訴えを取り下げたのですね』
「そうなった。今の俺は大丈夫だ」 
 警察からの事情聴衆j等はないというのだ。
「潔白だ」
『法律的にはですか』
「ただ戦うだけだ、仕事もそのままだ」 
 清掃業のそれもだというのだ。
「それでだ」
『日曜のことですね』
「全員倒す、そしてだ」
 鋭い猛獣の目で何かを見据えて言う。
「俺の願いを適える」
『永遠に戦われるのですね』
「そうする」
 まさにだというのだ。
「これからも永遠に戦う」
『では頑張って下さい』

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