”狩人”フリアグネ編
一章 「外れた世界」
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は恐怖に震える声が漏れた。
「え……炎髪と………灼眼!?」
少女は大太刀を右手一本で振りかぶる。
「あ、あぁ…」
何かを言いかけていた人形の頭部を、片手切りで無造作に切断した。
人形が消滅すると、ようやく士郎は少女の顔を確認出来た。
背丈は140センチ前後、年齢は11〜12才だろう。
だが、その顔にはあどけなさが微塵もなかった。
強い意志を感じさせる凛々しい表情だ。
灼熱の赤の色をした、瞳と髪をした少女には抜き身の大太刀が不思議と相応しく見える。
「助かった、お陰で命拾いをしたよ」
しかし、少女からの返事はない。
素直に礼を述べたが、聞く耳を持ってくれていない様だ。
「え〜と、これ『ミステス』よ…ね?」
それは返答ではない言葉だった。
また、ミステス………か。
意味は分からないが、先ほど聞いたばかりの単語だ。
意味を聞こうとしたが、それを遮るように先程も聞こえた男の声が、少女に答える。
多分、ペンダントからの筈だ。
腹話術では……ないと思う。
と言うより、あんな声が出せる訳がない。
「うむ、姿形が変わった上、封絶の中でも動けるとは………な。よほど特異な物を蔵しているのだろう」
なに言ってんだ、と首を傾げる。
頭を整理しようとした動作だったが、結果として現状の客観視をさせる一因となった。
「―――不味い!」
首玉がこちらを目掛けて飛んでくる。
確か、人形の脇に浮いてた奴だ。
そういや、こいつの事を忘れてた。
人形が手からぶら下げてると思ってたんだが。
どうやら単独で浮いていたらしい。
その様はさながら砲弾のようだ。
だが不意打ちならいざ知らず、真っ直ぐに飛んでくる所を迎撃されない筈もないだろう。
案の定、少女の蹴りを受けた首玉は弾き飛ばされて、近くのレストランを粉砕する。
――――って、どんな威力の蹴りだよ。
まず、普通の人間の蹴りの威力ではない。
この子も俺と同じ側の人間なのか?
ともすれば、この威圧感も頷ける。
しかし呆気ないな。
これで終わり―――か。
少女はそのまま、土埃を舞い上げるレストランに歩き出す。
真っ二つに両断して、確実なる安全という形にするのだろう。
そうなると、ただ一人残されて非常に手持ちぶさたになる。
「止めを差した後にでも、なんとかして話を聞かないとな」
少女は何なのか。
あの人形の正体と狙い。
そして、静止しているこの空間。
訪ねなければならない事が山積みだ。
監禁生活、世界間移動、そして今の戦闘。
投影の不発原因も調べなければならない。
全く、人生で一番多忙な気がするよ。
ともかく、ようやく少しは落ち着けるか。
そこに、油断が生じた。
端から見ても呆然と
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