第二章 非平凡な非日常
46、10年ぶりの再会
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いなく10年前の自分なのだ。
「目的は、なんだ」
「目的ですか? そうですね、君はボンゴレを知っていますか?」
突然何を言い出すんだ。
そう思うが、確かに知っている。
寧ろ、よく知っている。
「沢田綱吉を次期ボス候補とする、巨大マフィア」
「ええ、そうです。そして彼は君のクラスメイト」
「何だ、知ってんのかよ」
「それではもう1つ。君は彼らの仲間ですか?」
その質問に、要の眉がピクリと動く。
「はぁ? ふざけんなよ、何でオレがあんな奴らの仲間になんざならなきゃなんねぇんだ」
「では違うと」
「たりめぇだ」
すると、骸は笑った。
口許に恐ろしく綺麗な弧を描いて。
「少し僕に協力してみませんか?」
「……は?」
「僕はボンゴレの、沢田綱吉の体を乗っとるために日本へやって来ました。その一過程として、僕と契約してください」
骸が右手を差し出す。
どこからか藍色の霧が集まり、彼の手の中で三叉槍を成した。
その切っ先が要に向けられる。
「おいおい待てよ。何だよ契約って。それと沢田がどう繋がる?」
「ボンゴレの体を乗っとるのに駒はいくつあっても余りませんから。言い換えるなら、僕の仲間になる気はありませんか、と」
微笑む骸に対し、要は苦笑していた。
その視線の先は、喉元に切っ先を向けた三叉槍。
「これを向けながら言う台詞か?」
「これは失敬」
スッと三叉槍が下げられる。
安堵の息をつく反面、要の頬を冷や汗が流れ落ちた。
「それで、仲間になったらどうなるんだ?」
「どうと言うことはないですよ。あなたを縛るわけでもない。メリットもデメリットもありませんが、強いて言うなら、身の安全は保証しますよ」
「デメリットがないなら言い。それに、てめぇの命はてめぇで守る」
「おや、女子の割りに格好いい台詞を吐くじゃないですか」
その言葉を、要は鼻で笑った。
分かりきっているだろう、そう言うように。
対する骸も、小さく笑った。
分かっていますよ、そう言うように。
「してやるよ、契約とやらを」
「ありがとうございます」
次の瞬間、要の腹部に、深々と三叉槍が突き刺さっていた。
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