暁 〜小説投稿サイト〜
気まぐれな吹雪
第二章 非平凡な非日常
46、10年ぶりの再会
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
いなく10年前の自分なのだ。

「目的は、なんだ」

「目的ですか? そうですね、君はボンゴレを知っていますか?」

突然何を言い出すんだ。

そう思うが、確かに知っている。

寧ろ、よく知っている。

「沢田綱吉を次期ボス候補とする、巨大マフィア」

「ええ、そうです。そして彼は君のクラスメイト」

「何だ、知ってんのかよ」

「それではもう1つ。君は彼らの仲間ですか?」

その質問に、要の眉がピクリと動く。

「はぁ? ふざけんなよ、何でオレがあんな奴らの仲間になんざならなきゃなんねぇんだ」

「では違うと」

「たりめぇだ」

すると、骸は笑った。

口許に恐ろしく綺麗な弧を描いて。

「少し僕に協力してみませんか?」

「……は?」

「僕はボンゴレの、沢田綱吉の体を乗っとるために日本へやって来ました。その一過程として、僕と契約してください」

骸が右手を差し出す。

どこからか藍色の霧が集まり、彼の手の中で三叉槍を成した。

その切っ先が要に向けられる。

「おいおい待てよ。何だよ契約って。それと沢田がどう繋がる?」

「ボンゴレの体を乗っとるのに駒はいくつあっても余りませんから。言い換えるなら、僕の仲間になる気はありませんか、と」

微笑む骸に対し、要は苦笑していた。

その視線の先は、喉元に切っ先を向けた三叉槍。

「これを向けながら言う台詞か?」

「これは失敬」

スッと三叉槍が下げられる。

安堵の息をつく反面、要の頬を冷や汗が流れ落ちた。

「それで、仲間になったらどうなるんだ?」

「どうと言うことはないですよ。あなたを縛るわけでもない。メリットもデメリットもありませんが、強いて言うなら、身の安全は保証しますよ」

「デメリットがないなら言い。それに、てめぇの命はてめぇで守る」

「おや、女子の割りに格好いい台詞を吐くじゃないですか」

その言葉を、要は鼻で笑った。

分かりきっているだろう、そう言うように。

対する骸も、小さく笑った。

分かっていますよ、そう言うように。

「してやるよ、契約とやらを」

「ありがとうございます」

次の瞬間、要の腹部に、深々と三叉槍が突き刺さっていた。
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ