第二十三話 〜なまえをよんで StrikerS Ver.【暁 Ver】
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任務で自分達の前に立ちはだかった敵の目的と考察』というものだった。勿論それだけではないだろうと、ティアナ・ランスターは考えている。スバルの件以外にも何かあるのだろうか。ティアナがバラバラになっている思考のピースを掻き集めているのを他所に、あの屋上でのアスナとディエチ、クアットロと呼ばれた三人の少女の会話内容に全員が頭を抱えていた。
「確かに、私となのはが行くまでの時間稼ぎをお願いしたんだけど……」
「時間を稼いでるっちゅうか……アスナちゃん、素やろこれ」
「アスナ? 知らない人から飴とか貰って食べちゃダメだよ?」
なのはにとどめを刺されたアスナは盛大に口をへの字にすると、そのままごろりとソファへ横になってしまった。
「ありゃ。へそ曲げてもうた。うーん、フェイト隊長の記録と大差ないなぁ」
『すまない。何らかの情報を聞き出せればよかったんだが』
「ううん。かまへんよ」
その時、ボブとはやてのやり取りを聞いていたティアナが、発言権を求めるように手を上げる。
「ん? どないしたん」
「はい、一つだけ気になることが」
ティアナが、そう言いながら立ち上がり、映像を巻き戻すように指示した。スバルが話しやすい流れに持っていければとの彼女なりの配慮ではあったが、実際に気になった部分でもあった。ティアナが組み立てた仮説が正しいのであれば、恐らくスバルの言った通りなのだろう。
「ここです」
『……かめです』
『あ、うん。知識としてはあるけど……初めて見た』
「ここが、どないしたん?」
「はい、あたしが気になったのは先ほどの部分です。……この言い回しは少しおかしく感じます。映像を見る限りは、あたしと同じくらいの年齢か、年上だと思いますがその年齢で知識でしか亀という生き物を知らないなんて本当にあり得るでしょうか……余程、特殊な状況で隔離されて生きてきたか、それとも──── ある日突然、知識だけを与えられたのか」
部隊長室は、水を打ったように静まり返っていた。そんな中、スバルが意を決したように手を上げる。
「あたしは……多分、知っています。彼女達が何なのか」
ティアナの眉がぴくりと反応し、ソファに寝転がっているアスナの肩が少しだけ、動いた。八神はやては静かに目を閉じる。
「どういうことなんだ? スバル」
シグナムが、尤もな疑問をスバルへと投げかける。
「はい。彼女達は……恐らく『戦闘機人』です。いえ、間違いなく」
「なぜ、わかる?」
「それは────」
────── あたしも『同じ』だからです。
〜なまえをよんで StrikerS Ver. 了
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