第二十三話 〜なまえをよんで StrikerS Ver.【暁 Ver】
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だ。あんな連中が出てきちゃったら話さないわけにはいかない。あいつらは多分……あたしと」
「スバルの好きになさい。……だけど、これだけは憶えておいて」
「あんたは一人じゃない、でしょ。八神部隊長に話を通してくるよ」
「了解」
「……なまえをもういちど」
「ヴィヴィオ」
「……そう。私はアスナ──── 桐生アスナ」
「なにか悩み事? はやて」
「ん? うん……」
主の性格を表しているのか、綺麗に整頓されている部隊長室の応接ソファに八神はやてと、フェイト・T・ハラオウンの姿があった。はやてを悩ましていたのは、近々に地上本部より査察が入るという旨の通達が来たこと。そして、もうひとつ。スバル・ナカジマの件だった。フェイトが来る少し前に、スバルが部隊長室を訪ねてきた。用件は──── 自分のことを皆に話したい。はやての瞳をまっすぐに見つめ彼女はそう言った。前回の任務で敵対した彼女達とも恐らく無関係ではないと付け加えた上で。
スバルのことを知っているのは、今のところ自分とティアナ・ランスター。そして、桐生アスナの三人だけだ。はやて自身いつか話さなければいけないと考えてはいたが、存外に早くその時期が来てしまったようだった。フェイトはそんなはやてを暫く見つめていたが、意を決したしたように口を開く。
「はやて。そろそろ教えてくれる? ……六課設立の本当の理由」
はやては、まっすぐ自分を見つめるフェイトを見ながら、諦めたかのように溜息を零した。
「……そやね。いいタイミングやしな。これから聖王教会本部へ報告に行くからそこで話すわ。クロノ君も来るから一緒にな。なのはちゃんにも声かけてくれるか?」
「わかった。なのは、もう帰って来てるかな」
フェイトが、そう言いながら通信スクリーンを立ち上げようとした時、件の人物が部隊長室へと入ってくる。
「失礼します。聖王医療院から、ただ今戻りました。……ごめんね、遅くなっちゃった」
「いや、ええで。あの娘はどないしとる?」
「うん。ちょっとぐずっちゃったけど、アスナに任せてきたよ。アスナにも懐いてくれたみたい。連れて行ってよかった。……フェイトちゃん、ごめん。ちょっと様子が見たいからスクリーンを立ち上げてくれるかな」
「わかった」
「こんにちは。名前を教えてくれますか?」
キャロはそう言いながら、少しだけヴィヴィオへと屈む。ヴィヴィオは小動物のような仕草でアスナのスカートを掴みながらも名前を告げた。
「……ヴィヴィオです」
キャロはにこりと微笑むと自分の名を告げようと口を開こうとした
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