第二十三話 〜なまえをよんで StrikerS Ver.【暁 Ver】
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いながら、ルームミラーにちらりと視線を走らせた。普段は二人乗りのフェイトの愛車は、あの時と同じように後部のトランクスペースを利用して四人乗りとなっている。
「はい……そうですね」
高町なのはもシグナムを習うようにして、ルームミラーへと視線を送った。後部座席には。あの時と同じように、桐生アスナが座っていた。但し、あの時と違うのは彼女が借りてきた猫のように大人しく座っているという事だ。ご丁寧にもシートベルトまで締めている。
「アスナ? 随分、おとなしいね」
「……車は、ちゃんとすわってないと大変あぶないです」
「う、うん? そうだね」
ティアナのサイドカーで走行中にいきなり立ち上がった人間の台詞とは思えなかったが、高町なのはは取り敢えず頷いておくことにした。なのはが隣を見てみると、ハンドルを握っているシグナムが笑っている。シグナムは八神はやてから前回の事情を聞いていたのだ。なのはの視線に気づいたのか、シグナムは真面目な表情をすると話を切り出した。
「検査はひと通り終わったのだろう? ……彼女の処遇はどうなるのだろうな」
「取り敢えずは……聖王教会か、六課で預かることになると思います」
「人造魔導師か……」
そう呟くシグナムの表情は暗い。なのはは、そんなシグナムの表情を見て取ると静かに目を閉じる。恐らく、二人の脳裏に浮かんでいるのは一人の女性の姿。シグナムは、少々重くなってしまった空気を変えるかのように彼女にしては、明るめな声色で口を開いた。
「それにしても……なぜ、アスナを?」
なのはは、細い指を顎へと持って行き暫く考える仕草を見せていたが、やがてこう答えた。
「なんと、なく。かな」
シグナムはそんな彼女の答えに苦笑を浮かべる。
「私はてっきり……子供には子供が適任だろうなどと考えたのかと思ったぞ」
「そうかも」
なのはは、悪戯げに舌をぺろりと出し笑う。そんな時、シートの間から薄らぼんやりした表情が、ぬっとばかりに顔を出した。
「……なんか、わるくちを言われたきがする」
ティアナ曰く、都合の悪いことは全く聞かないのに、自分の悪口だけはよく聞こえる耳、だそうだ。
「言ってないぞ?」
「言ってないよ? アスナは可愛いねって言ってたの」
「……せんせいは、おしりがおおきいな?」
「いきなり何なのっ」
「落ち着け、高町」
「……どこに向かってる?」
二人はどこに向かっているのかも理解していなかったアスナへと、生ぬるい視線をを向ける。先ほどまでの重い空気は無くなっていた。シグナムは、ぷりぷりと怒りながらアスナの鼻を摘んでいるなのはを見て、彼女にしては珍しく声を出して笑った。そんな
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