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Element Magic Trinity
不幸な涙は仲間の為に
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る。

水流激鋸(ウォータージグソー)でバラバラになりなァ!」
『ルーシィさん、ルーさん!よけてぇ!』

2つのジュビアの声が、2人の耳に聞こえる。
が、ルーシィは避ける事をせず、向かってくる激しい水に向かって、右手で固定した左手を突っ込んだ。

「ルー!あたしを支えて!」
「うん!」

水の勢いに今にも負けてしまいそうなルーシィを、後ろからルーが支える。

「開け!宝瓶宮の扉!」

その言葉に反応し、魔法陣がジュビアの背後に、激しい水に描かれる。
カッ、と光が起こり、荒れ狂う水から―――――

「アクエリアス!」

ルーシィと契約する、彼女の持つ最強の星霊―――アクエリアスが姿を現した。

「!」
「ジュビアの(みず)を使って星霊を!?」
「なるほどっ!」
「水があれば最強の星霊アクエリアスが呼べる!アンタのおかげよ、ジュビア!」

そう。
確かに今はアクエリアスを呼べる環境が整っていた。
水があり、ルーシィの魔力もアクエリアスを呼べるほど残っている。
が、ここにいる4人は大事な事を忘れていた・・・否、ルーシィとルーしか知らないのだが。



「やかましいわ!小娘どもがァ!」



アクエリアスが水瓶を振るう。
と、同時に水瓶からジュビアの水流激鋸(ウォータージグソー)にも負けないほどに荒れ狂った水が噴き出した。

「ヒィィィ!」
「やあああ!」
「うわわわ!」
「ぬおおおおお!」

そう。
アクエリアスは敵味方関係なく大津波を起こす。
つまり、敵であるヴィダルダスだけでなく、所有者(オーナー)であるルーシィやその仲間のルーとジュビアも含め、攻撃を受けてしまうのだ。
が、この状態で、ヴィダルダスは有利だった。

「効かんなァ!俺の髪は水を吸収すると言っただろーがヨ!」

彼の長髪は液体を吸収する。
その為、いくら最強の星霊アクエリアスを呼んでも、水を吸収してしまうヴィダルダスには通用しないのだ。

「ジュビア!」

―――――そう。

「ルーシィ!」

―――――普通なら。

「!」

荒れる波の中、お互いに伸ばしたルーシィとジュビアの手が――――強く、繋がれた。







パキ、と。
倒れた鍵の駒と犬の駒、水瓶の駒の前に立つギターの駒の一部が割れる。

「何!?」

それを見たジェラールは目を見開く。

「こ・・・この魔力は・・・」

ぞわっ、と。
寒気がジェラールの背中を襲う。

「あんな小娘どもが・・・魔力融合!?」

つー、と。
驚愕に顔を染めたジェラールの頬に、一筋の汗が流れた。







「ぬお!ちょっと待て!な、何だこの水は!?」


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