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Element Magic Trinity
不幸な涙は仲間の為に
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ファイトに、ヴィダルダスは歓喜の声を上げる。
ルーは大慌てで風を操り、自分の目を封じた。
淡い緑色の光を纏った風がルーの目だけを綺麗に塞ぐ。

「な、何すんのよ!」
「ル、ルーシィ・・・もう、目・・・開けてもいい?」
「えぇ!」

ルーシィは髪の毛を高い位置で結んでいた布を取り、胸に巻く。
戸惑ったように舌足らずな口調でルーが呟き、ルーシィが頷き、やっとルーの目隠しが外れた。
その頬は、心なしか淡い赤色に色づいている。

「ヤッ!ハァ!」
「いっ!」
「うぐっ!」

それとほぼ同時にジュビアの頭突きがルーシィとルーの額に決まる。

「アンタ妖精の尻尾(フェアリーテイル)に入りたいんでしょ!」
「だったら、仲間に攻撃なんて・・・!」

頭突きされた額を押さえ、ルーシィとルーが叫ぶ。
が、操られ、ヴィダルダスの命令しか聞かない状態のジュビアには、何も言っても無駄だった。

「やべばっ!」
「むぐっ!」

全身を水へと変換し、その水は容赦なくルーシィとルーを襲う。

「痛っ」
「くっ」

右手でルーシィの金髪を、左手でルーのエメラルドグリーンの髪を掴み、床すれすれを飛ぶように走るジュビア。

「きゃあ!」
「うわっ!」

そして勢いをつけたまま、2人から、2人を投げるように手を離した。
その両手に金色の髪と緑色の髪が数本握られ、手を開くと同時にパサリ、と床に落ちる。

「うう・・・」
「痛いよぉ・・・」
「ヘイ!ヤー!(ヘア)ー!シビれるぜ!ヒャハハハッ!」

思わず頭を押さえるルーシィとルーを見て、ヴィダルダスはギターを鳴らしながら嬉しそうに叫ぶ。

水流烈鞭(ウォーターカーネ)!」
「ちょ・・・!痛ーーーい!」
「くっ・・・!大空烈鞭(アリエスカーネ)!」

ピシィ、と。
鞭が撓る音が響く。
ジュビアの両腕が水の鞭と化し、ルーシィとルーを叩いている。
やむを得ず、といった表情で、ルーは左手のジュビアに向け、その掌から風の鞭を放ち、向かってくる鞭を防いだ。

「これ・・・!ロックっていうか・・・!」
「うん・・・これはロックというより・・・」
「「ドS!」」

半泣き状態のルーシィと、困ったような表情を浮かべるルーの声が重なる。

「変態ドMコンビ!ジュビアの中で砕け散りな!」
「何よそれー!」
「ちょっとそれはお断りさせてもらいたいなぁ!」

ルーの珍しく丁重なお断りは見事なまでに無視された。
ザバァ、と海岸で耳にするような音が響き、ルーシィとルーは再び全身を水へと変えたジュビアの水に襲われる。

(ダメだ!完全に操られてる。どうしよう!ジュビアとなんて、まともに戦って勝てる訳ないし・・・)
(あの時は水を凍らせられて
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